【中国】今年の消費動向、教育や旅行に支出増[経済]

米調査会社ニールセンIQは、2024年の中国人消費者の動向として、教育や国内旅行、生活必需品への支出を増やすとの報告をまとめた。健康や自身・家族の幸福に関する注目が高まっていると指摘した。

ニールセンが実施した消費者調査で向こう1年の消費意向を聞いたところ、「自身・子どもへの教育」が首位だった。「雑貨・家庭用品(生鮮食品・健康食品など)」や「食事会・友人らとの集まり」、「健康関連」、「国内旅行」も上位に並んだ。「貯蓄・投資」は2位だった。

中国人消費者の収入に対する見通しは上向いている。調査対象の50%は「自身の財務状況が改善している」と答えた。「1年前と比べ世帯の経済状況が悪化している」との回答は13%となり、23年初めの調査時から3ポイント下がった。65%は「24年末の世帯収入は改善している」との見通しを示し、前年同期の調査時から17ポイント上昇。アジア太平洋地域の54%を大きく上回った。

ニールセンの調査では、価格に敏感になる消費者が増えていることにも触れ、電子商取引(EC)サイトを見比べたりコストパフォーマンスを重視したりする消費者の割合は前年同期から2ポイント上がって30%となった。一方、自由に消費を行う消費者の割合は17ポイント下落の35%。

日用消費財(FMCG)の消費を抑える人は86%に上り、節約方法については、割引が多いオンラインで購入する人が37%、セール時に大量に買い込む方針の人は30%、ディスカウント店を訪れる回数が増えた人は25%それぞれいた。

ニールセンは消費者の間で広がる価値観として、「自宅での時間を楽しむ人の増加」「浪費の回避」「健康意識の高まり」「ストレス管理の強化」「支出の抑制」などを挙げた。

ニールセンの中国幹部は「中国人消費者は製品の性能や品質、ブランドに注目していると同時に、価格の合理性を求める動きも強まっており、中国小売業界は既にコストパフォーマンスの時代に突入した」と指摘。業界に対しては、価格設定と販売戦略に力を入れるよう呼びかけた。

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