【台湾】ハンドツール生産額、今年は前年超え見込み[製造]

台湾経済部(経済産業省)統計処は15日に発表したリポートで、2024年の台湾のハンドツール製品の生産額は前年を上回るとの予測を示した。ハンドツールの生産額は、新型コロナウイルス禍で伸びた後、直近2年は前年比マイナスが続いている。

台湾のハンドツール生産額は、世界的な需要拡大を受け、10年からは12年連続でプラスを維持。21年はコロナ禍でDIY需要が伸び、前年比19.8%増の317億台湾元(約1,506億円)となり、過去最高を記録した。

その後はコロナ禍の収束に伴うDIY需要の縮小や米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで米国の不動産市場や修繕市場が打撃を受けたこと、欧米の輸出先の在庫拡大などを背景に受注が低迷し、22年の生産額は前年比16.1%、23年は21.6%それぞれ減った。

24年1月の生産額は、前年同月比57.9%増の22億元。23年第4四半期(10~12月)以降、顧客側の在庫消化が進んだことやメーカーの積極的な新商品開発などを追い風に受注は回復しつつある。

税関の統計によると、今年第1四半期(1~3月)のハンドツール輸出額は前年同期比5.2%増の1億7,100万米ドル(約263億円)となり、同期として2年続いたマイナス成長を脱した。製品別ではエアーインパクトレンチが4.6%増の1億100万米ドルで、全体の59.2%を占めた。

台湾製ハンドツールの最大の輸出仕向け地は米国で、今年第1四半期の輸出額は7.9%増の8,200万米ドル。全体の47.8%を占めた。以下は、中国・香港が4.3%減の1,300万米ドル(シェア7.5%)、ドイツが58.7%増の1,100万米ドル(6.3%)、日本が21.1%減の900万米ドル(5.5%)、ベルギーが13.5%増の700万米ドル(4.0%)と続いた。

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