トランプ氏初公判、不倫口止め料巡り 歴代大統領初の刑事裁判

Luc Cohen Jack Queen

[ニューヨーク 15日 ロイター] - トランプ前米大統領(77)が不倫口止め料を不正処理したとされる事件の初公判が15日、ニューヨーク州の裁判所で始まった。大統領経験者が刑事責任を問われるのは米史上初で、11月の米大統領選への影響が注目される。

トランプ氏は入廷前、裁判について「政治的迫害だ」とコメントした。裁判所前はバリケードで囲まれ、厳重な警備が敷かれた。周辺には「早く有罪にしろ」などと書かれたプラカードを掲げた抗議活動参加者の姿が見られた。

トランプ氏は計4つの刑事事件で起訴されており、公判を迎えるのは今回が初めて。大統領選前に公判が行われる唯一の刑事裁判となる可能性がある。

この事件では、2016年の大統領選前に不倫関係にあったとされるポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんへの口止め料支払いを隠すため業務記録を改ざんしたとされる。トランプ氏は34件全ての罪状について無罪を主張している。

公判は5月まで続く見通しで、トランプ氏本人が出廷する必要がある。トランプ氏側は来週ワシントンで開かれる連邦最高裁の審理に出席するため公判欠席を求めたが、判事はこれを退けた。

トランプ氏は休廷後に「判事は私がこの詐欺まがいの裁判から逃れることを許さないようだ」と述べた。

審理入りに先立ち、まず陪審員12人が選出されるが、民主党支持者が多いニューヨーク市マンハッタン地区住民から選ぶ手続きには数日かかる見通し。

この日は判事が、100人近い陪審員候補に対し「政治的指向」を含め事件に関する偏見や個人的見解を排除するよう指示。トランプ氏について中立的な判断ができないと述べた少なくとも50人が除外された。

仮に有罪となっても大統領就任が禁止されるわけではないが、ロイター/イプソスの世論調査によると、無党派層の半数と共和党支持者の4人に1人がトランプ氏が有罪となった場合は同氏に投票しないと回答している。

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