「なぜ話さない?」“水原スキャンダル”に関する大谷翔平の“質疑応答なし”、米アナリストが声高に批判「ほかの選手ならメディアが問いただしている」

大谷翔平の報道陣対応に、米メディアから不満の声が挙がっている。やり玉に挙がっているのが、元通訳の水原一平容疑者が絡むスキャンダルについて報道陣の質問に答えていない点だ。

“水原スキャンダル”が明らかになった後、大谷は現地3月25日に本拠地ドジャー・スタジアムの会見場で声明を発表した。自らの心情を明かし、賭博への関与を完全否定。捜査に全面的に協力すると語った。しかし報道陣との質疑応答はなかった。

大谷は水原容疑者がロサンゼルスの連邦地裁に出廷した4月12日の試合前、「司法省の捜査には非常に感謝しています。私個人としてはこれで一区切りがつき、野球に集中したいと思っています」と、『Los Angeles Times』紙で声明を出した。

その試合後にメディアの取材を受けたものの、質問は“野球に関すること”に限定。それでも米記者から水原容疑者に関する質問が飛んだが、広報が制するほどの厳戒態勢だった。大谷側に話せない事情があったにせよ、こうした一連の対応が、一部米メディアの反感を買っている。

『EssentiallySports』は現地4月14日の記事で、大谷のメディア対応をめぐって「放送局『ESPN』のトップコラムニスト、マイケル・ケイが怒りを露わにした。ケイはミズハラの騒動が明らかになった後、声明発表を除いて沈黙を貫いているオオタニを批判した」と伝えた。
ケイ氏は「メディアとの会話は、大勢のファンに話しているのと同じだ」と批判する理由を語り、『EssentiallySports』は「ケイの怒りは理解できる。このような指摘はこの数日、さまざまなところから挙がっている」と擁護した。

「なぜオオタニが特別な扱いを受けるのか疑問だ。なぜ質問を受けないのか」とケイ氏はポッドキャスト番組で語り、「それなら、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、アーロン・ジャッジ、ロナルド・アクーニャJr.、マイク・トラウトら、球界の大物はみんな“メディアと話さない”と言うべきだ。そうなれば、MLBが“それも仕事の一部だから、話さなければいけない”と介入するだろう。なぜ、オオタニは話さないのか」と語気を強めた。

さらには、「もし、これがオオタニ以外のほかの選手だったら、メディアはその選手を問いただすだろう」とも語っている。『EssentiallySports』は、「オオタニがメディアと話さないのは、無関心からくるものなのか、法的要件からくるものなのか分からない。ただひとつ、はっきりしていることがある。球界最大のスターの沈黙に、多くの人が耳を痛め始めている。はたして、この状況は今後も変わらないのか、それとも“ショータイム”はもっと口を開いてくれるようになるのか」と疑問を投げかけた。

構成●THE DIGEST編集部

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