【阪神】西勇輝が感じた〝変化〟 虎投は「上から目線投球」で安定

11日の広島戦で8回無失点と好投した西勇輝

昨季日本一を達成した阪神はセ5球団との対戦を終えて6勝8敗1分け。リーグ4位ながら投手陣はチーム防御率2・60でまずまずのスタートを切っている。

開幕ローテ入りした左腕・大竹や伊藤将の状態がなかなか上がらない不安を抱えつつも、2日のDeNA戦(京セラ)で5失点を喫した村上も味方の失策絡みで自責は1点。9日の広島戦(甲子園)では7回2安打1失点で、見事に復活星を挙げ、防御率0・90だ。また、西勇輝投手(33)も11日の広島戦(甲子園)で白星こそつかなかったものの8回無失点。ダブル守護神のゲラ、岩崎も好投を続けている。

岡田阪神の強みの一つは投手力。セ界トップのチーム防御率2・66を誇った〝虎投〟の安定ぶりも38年ぶりの悲願達成を大きく後押しした。全てが順風満帆ではないとはいえ、おおむね好調の投手陣に西勇はベテランならではの〝変化〟も感じ取っている。

「打たれることに不安があると投げるだけで怖いと思ってしまいますが、調子がいい投手は打者を見下して投げることができる。そのメンタルというか、マインドが強い人が多いと思います」

もちろん投手が球を投げなければ試合は始まらない。主導権は打者よりも投手側にある中で〝上から目線〟で勝負に臨める選手が増えつつあるという。

もっともチームが勝つためには打線の援護が不可欠となる。チーム打率2割6厘はリーグワースト。チーム内でも中野の2割7分3厘が最高だ。なかなか勢いづかない打線に対し、岡田監督は14日に大幅な打順の組み換えを断行し、中野を2番から8番、昨季は全試合で4番に座った大山を5番へ変更するなど試行錯誤を重ねている。

ひと回り成長した投手陣が引っ張っているうちに、打線の奮起が待たれるが果たして――。

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