【新日本】成田蓮が至宝奪回の救世主に!失態の前王者・内藤哲也には「引退して償ってもらう」

シカゴ大会でモクスリー(左)を改造プッシュバーで襲撃した成田蓮(新日本プロレス提供)

新日本プロレスの5月4日福岡国際センター大会で、IWGP世界ヘビー級王者ジョン・モクスリー(38=AEW)への挑戦が決定した、「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」の成田蓮(26)が、よもやの救世主に名乗りをあげた。成田はモクスリーとの師弟対決を狙う海野翔太(26)、前王者の内藤哲也(41)に言いがかりレベルの暴言を連発。〝招かれざる挑戦者〟が団体の緊急事態に立ち上がってしまった…。

団体に激震が走ったのは12日(日本時間13日)の米国・シカゴ大会だった。内藤がAEWのモクスリーとのIWGP世界王座戦に敗北。最高峰王座の他団体流出は、当時全日本プロレスの武藤敬司がIWGPヘビー級王座を保持していた2009年1月以来、実に15年3か月ぶりとなった。

モクスリーは海野との師弟対決を掲げたが、これに待ったをかけたのが成田だ。試合後のリング上で王者を襲撃し、福岡決戦が決定。本紙の取材に応じた〝横入り挑戦者〟は「大前提として、モクスリーはIWGPにふさわしくない。そんな偽物王者が何を見せるのかと思ったら、誰も見たいと思わない師弟対決なんか口にしやがって…。その瞬間、自然と体が勝手に動いていたよ」と身勝手な言い分で蛮行を正当化した。

取ってつけたような理由での妨害は、昨年末の「ワールドタッグリーグ」で裏切って以降、抗争を展開してきた海野への嫌がらせにしか見えない。もちろん自身がベルトを奪取した際には、海野の挑戦は受け付けない意向だ。「当たり前だろ。そもそも翔太がIWGP挑戦なんて時期尚早で、わかってないのは身内だけ。師匠と父親が甘やかすから、勘違い野郎が生まれるんだよ」と罵倒した。

当の成田は今回がIWGP初挑戦。直近では1月後楽園大会で海野との一騎打ちに敗れ、6日両国大会でもタッグ戦でモクスリーにピンフォール負けと、実績に劣るのはむしろ自分の方の気がするが「師弟そろって凶器攻撃にかみつき、ひっかきと、プロレス道にもとる反則行為を繰り返してるだろ。そんなヤツがIWGPを取ってしまったこの危機的状況を救えるのは、正統派の俺しかいない」と、身勝手な使命感に燃えている。

「他団体、ましてや米国の団体にベルトを流出させる大失態をさらした内藤には引退して罪を償ってもらうとして、この状況を救う救世主が必要だろ。多くの人間が望んでいた俺がやっと重い腰を上げてやったんだ。俺が行かずに誰が行くって話だよ」

外敵王者ながら新日本への敬意を示し続けるモクスリーと、生え抜き挑戦者ながら我田引水を地で行く成田。至宝奪回を巡る構図の逆転現象はここに極まった。

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