第2種免許の学科試験、英語で受験可能に バス、タクシーの運転手不足見据え 群馬県警

 バスやタクシーといった旅客運送業の運転手不足が深刻化する中、群馬県警は15日から、第2種免許の学科試験を英語でも受けられるようにした。初日の利用者はいなかったが、外国人労働者をバスやタクシーの運転手として受け入れる制度変更が見込まれており、県警は今後を見据えて環境整備した。

 運転免許課によると、問題文は日本語版と同じ内容で、警察庁の例題を基に独自に作った。警察庁の方針を踏まえ、各都道府県警が第2種の外国語対応を図っている。同課は「旅客事業者や外国人住民のニーズに応じられるよう多言語化を進めたい」とした。

 既に準中型、普通(第1種)、二輪、原付の各免許の学科試験は英、ポルトガル、ベトナムの3カ国語で受け付けている。

 今回の英語対応について、県タクシー協会は「多国籍の人が受けやすいようにするのは分かる」と一定の評価をした。その上で「旅客を運ぶため安全教育には手を抜けないが、人手確保のためには第2種の取得にかかる金銭や時間の緩和が必要だ」と訴えた。

 慢性的な人手不足のバス・タクシー業界では4月に運転手の新たな残業規制が始まり、人繰りに苦心している。政府は3月、外国人労働者を受け入れる特定技能制度にバスやタクシーの自動車運送業などを追加することを閣議決定した。

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