700人のグリーンジャケット ウッズ超える“オーガスタ30年選手”を発見/マスターズの現場から

ボランティアさんも“グリーンジャケット”(撮影/高藪望)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(14日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

今年は、もうすぐパパになるスコッティ・シェフラーが優勝。2年ぶりのグリーンジャケット、お似合いです。このグリーンジャケット、もともとはチャンピオンじゃなくて、“大会スタッフ用”だったって、ご存じですか?

オーガスタナショナルGCのメンバーのために作られた、緑色のコートがグリーンジャケットの起源だそうな。そのうち軽量化されたジャケットができて、マスターズ期間中にメンバーが着用。お客さんのインフォメーション係として見つけやすいよう、“信頼の証”としてグリーンジャケットが定着したんだって。

総勢700人ぐらいいるそう(撮影/高藪望)

今では公募のボランティアさんが、緑をまとってあちこちで活躍。正確な人数は「お答えできません」と大会側から返って来たが(わかってました)、例年700人くらいがボランティアとして働いているそう。

ゴルフファンだけではないみたい(撮影/高藪望)

厳格なマスターズ、さぞ採用基準は厳しいんだろうと思っていたら、「ウェブで応募しただけ。名前とメールアドレスいれたら、スグよ!」とカフェテリアで働くケイティさん。マスターズの大会ホームページから応募して、事前のオリエンテーションや研修に参加すればザッツ・イット。

ゴリゴリのゴルフファンばっかり集まっているかと思ったら、全然ゴルフに興味がない人も意外とたくさん。筆者が話した人のほとんどは地元の方で、たま~に、他の州から車で数時間ドライブしてきている人も。

ゴミ拾いしてくれる人も(撮影/高藪望)

募集要件を見てみると、ざっとこんな感じ。

・年齢制限は雇用初日の時点で16歳以上
・マスターズ前週の「オーガスタ女子アマ」から稼働できること
・事前にオリエンテーションもあるらしい
・職種によって10~14時間勤務(休憩ありだけど意外と長い)
・給与はポジションによって変わる(ケイティさんは時給14ドル)

職種は大きく分けて「コンセッション」(売店)、「ホスピタリティ」(おもてなし施設)、「マーチャンダイズ」(グッズショップ)、「セキュリティ」の4種類。5月からコースがクローズする間に、希望者はオーガスタをプレーするチャンスもあるんだって。

何年か続けて参加している人が採用されやすい、というのはあるみたい。ドライビングレンジのセキュリティ係のオジサマは、「ボランティアは5回目だけど、パトロンとしては1990年くらいから来てるよ」って、マスターズに来てもう30年以上。タイガー・ウッズを余裕で超えるつわものがここにいた。(ジョージア州オーガスタ/谷口愛純)

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