子どもは誰のもの…? 子どもの父親を確定される「嫡出推定制度」が改正に

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、「嫡出推定制度」の改正について議論を交わしました。

◆嫡出推定制度に関する民法が改正

子どもの父親が誰であるか法律上早期に確定させる「嫡出推定制度」を見直す改正民法が4月1日に施行されました。

改正前は、女性は離婚後100日間再婚が禁止。また、300日以内に再婚した場合、生まれた子どもは元夫の子どもであると推定され、300日過ぎてから生まれると再婚者の子どもと推定されていました。

しかし、元夫からDVを受けるなどして離婚したなどのケースでも、子どもは元夫の子どもとされ戸籍に記載されてしまいます。それを避けるために母親が新生児の出生届を出さず、子どもが"無戸籍”となるケースが問題となっていました。

一方、民法改正後は300日以内に生まれた子どもは原則的に元夫の子どもと推定されますが、再婚すると再婚者の子どもであると推定されます。また、再婚しない場合も300日までは元夫の子どもと推定され、その後は"非嫡出子”、つまり法律上の婚姻関係のない男女の間に生まれた子どもとされます。なお、この新たな規定は原則4月1日以降に生まれた子どもに適用されます。

◆今回の改正に、識者たちは何を思う?

脳科学者で理学博士の茂木健一郎さんは、「そもそも子どもはみんなで守らないといけない。日本は家族や結婚ありきで子どもを考える発想がいまだに続いているんだなと思うし、まだ改正していなかったことに驚きがある」と語りつつ、「(改正後も)相変わらず結婚を前提に子どものことを考えていて、子どもはもっと社会全体で守るべき」、「大事なのは子ども一人ひとり」と主張。さらには、"非嫡出子”という表現についても「これを放置している時点で日本は時代遅れ」と苦言を呈します。

キャスターの堀潤も「(政府は)子どもをど真ん中に掲げ、マイナンバーも整備して、個人でしっかりと番号が付与されている制度さえあるのに」と憂慮。

環境アーティビストの黒部睦さんは「確かに(子どもは)家族・親で支える構造が基本になっているんだなと(茂木さんの話を)聞いていて思った」と賛同。その上で、「地域コミュニティなどがしっかりとしていればもっと変わるのかもしれないけれど、今は家族や親がなくなった場合に支えられるのはどこなんだろうと思った」と率直な印象を語ります。

お笑いコンビ・髭男爵の山田ルイ53世さんは、「(日本は)生物学的な親みたいなことにとらわれ過ぎているのかなと思う。それは今の社会にはそぐわない部分もでてきたんじゃないか」と指摘。さらには、改正前の「女性の再婚禁止」についても「何故、女性だけが禁止なのか」と話します。

対して、キャスターの豊崎由里絵は「今回の改正はやらないよりはマシだと思う。ただ、これで議論が終わらず、非嫡出子を救うための議論が続いてほしい」と切望していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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