イスラエル軍トップ「イラン攻撃に対応する」、国際社会は自制要求

James Mackenzie

[エルサレム 15日 ロイター] - イスラエル軍のハレビ参謀総長は15日、イランによる先週末の攻撃に対応すると表明した。紛争拡大を避けたい同盟国からは自制を求める声が相次いでいる。

イスラエル政府筋によると、ネタニヤフ首相は過去24時間足らずで2度目となる戦時内閣の閣議を開き、イランによる攻撃への対応を協議した。

ハレビ氏は13日の攻撃で小規模な被害が出た南部ネバティム空軍基地で「イスラエル領内に大量のミサイル、巡航ミサイル、ドローン(無人機)が発射されたことに対応する」と述べた。詳細は明らかにしなかった。

欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は、スペインのラジオで「われわれは崖っぷちに立っており、そこから離れる必要がある。ブレーキを踏んで後ろに下がる必要がある」と述べた。

マクロン仏大統領、ショルツ独首相、キャメロン英外相も同様の呼びかけを行い、米政府とグテレス国連事務総長も自制を求めた。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者会見で、バイデン大統領がネタニヤフ氏との13日の電話で自制を促したかどうかについて発言を控えた。

その上で「われわれはイランとの戦争を見たくない。地域紛争は見たくない」と述べた。同時に「(攻撃に)対応するかどうか、どのように行うか」はイスラエルが決めることだとした。

バイデン氏はイラクのスダニ首相との会談に先立ち、イスラエルの安全保障に対する米国のコミットメントを改めて表明した。

スダニ氏は、中東情勢についてはバイデン氏と見解が異なるかもしれないが、両首脳とも紛争拡大阻止を望んでいると述べた。

フランス、ベルギー、ドイツなどはイランの大使を呼び出した。仏外務省は事態の沈静化に向けてパートナー国と連携していると述べた。

ロシアはイランを公に非難することは控えつつ、緊張激化のリスクに懸念を示し、自制を求めた。ペスコフ大統領府報道官は「さらなるエスカレートは誰の利益にもならない」と述べた。

スナク英首相は主要7カ国(G7)がイランに対する協調措置に取り組んでいると説明。

今年のG7議長国を務めるイタリアは、イスラエルに敵対する個人に対する新たな制裁に前向きな姿勢を示した。

© ロイター