ロシアとウクライナ、黒海の商船安全保障合意が土壇場で白紙に=関係者

Guy Faulconbridge

[モスクワ/アンカラ 15日 ロイター] - ロシアとウクライナは黒海での安全な商船運航の保障に関して先月いったん合意に達したが、土壇場でウクライナ側が態度を変えたため、成立しなかったことが分かった。事情に詳しい4人の関係者がロイターに明かした。

協議は国連が後押しし、トルコが仲介する形で2カ月にわたって進められ、3月に「黒海における商船航行の安全を確保する」ことで話がまとまったもよう。ウクライナは正式な合意文書への署名は希望しなかったものの、トルコのエルドアン大統領が3月30日に合意を発表することを承認していたという。

ところが関係者の1人は「本当にぎりぎりの段階でウクライナが突然合意を撤回し、協定はご破算になった」と話した。

ウクライナが合意を撤回した理由は今のところ分かっていない。関係者らも、ウクライナがなぜそのような決定を下したか事情は把握していないと述べた。

黒海はロシア、ウクライナ双方にとって穀物や肥料、石油などを運ぶ重要な輸送ルートだが、2022年に戦争が始まって以来、輸送量が大幅に減少している。

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