逗子市社会福祉協議会主催の地域支え合い学習会でALS患者・畠中一郎さんが講演 逗子市・葉山町

講演する畠中さん

逗子市社会福祉協議会は3月29日、地域での支え合いの仕組みを考え、福祉活動の促進を図る狙いで「地域支え合い学習会」を開催した。市内在住で難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う畠中一郎さんが登壇し、自身の経験を交えながら、助け合う地域づくりを行うにはどうすべきかを語った。

2021年にALSと診断を受けた畠中さんは、「病気の側の世界を知ったことで健常者と双方の立場が分かるようになった」心の変化を口にした。

例えば、駅のエレベーターで「体が不自由な人や妊婦優先」と書いてあっても、混んでいて車いすが入るスペースがないと、後ろの人に「どうぞ」と譲ることを繰り返し、何十分も待つことがあるという。あくまで「優先」であり「専用」ではないので、先に乗っていく人も悪気があるわけではない。「病気になる以前は、自分も同じように乗っていたかもしれないが、身障者の立場になってはじめて不便を感じるようになった」と実体験を語った。

また、畠中さんは「思いやりを持っていることを見せよう」と訴えた。一人一人がそうすることで、皆が変わっていく。一人から家族、町内、国と広がっていくことで社会が変わることを望んでいる。

話を聞いた70代女性は「自分の生き方を見直さなければいけないと感じた。普段の行動でも示したいと思う」と語った。

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