差別だ…男女別学の埼玉県立高校“共学化”に賛成派「勉強するのに性別を問う必要ない」 共学を求める団体「誰に対しても開かれた公教育」を訴える 群馬、栃木は消極的だが共学化…埼玉も一歩踏み出して

共学化推進を訴える共学ネット・さいたまの田辺美弥子世話人(中央)ら団体メンバー=10日午後、県庁

 埼玉県男女共同参画苦情処理委員による県立男女別学校の「共学化」勧告を巡り、共学化推進を求める市民団体共学ネット・さいたまの会員らが10日、県庁で会見し「これからの社会に共学化は必要だ。一歩を踏み出してほしい」と訴えた。

 同団体は会員数約200人。同委員による1度目の勧告が行われた2001年度から活動している。会見には同団体世話人の田辺美弥子さん(63)や千田潤子さん(73)ら5人が出席した。

 田辺さんは共学化を訴える根拠として(1)誰に対しても開かれた公教育(2)男女共同参画の推進(3)性的少数者の権利擁護―を挙げ、「勉強するのに性別を問う必要はない。合理的な理由のない区別は差別だ」と主張した。

 千田さんは別学が残る群馬県、栃木県の共学化状況に触れ「他県は少子化による消極的共学化の形が目立つが、共学化の方針を出している。埼玉にも方針を出していただきたい」とし「子どもたちの気持ちを含めて計画を立てて、丁寧に進めてほしい」と求めた。

 同団体は4月27日に、さいたま市中央区のWith You さいたま(県男女共同参画推進センター)で、2010年に県立高校の全校共学化を行った宮城県の浅野史郎元知事による講演会を企画している。

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