熊本市電の延伸事業、国交省が初の予算配分 24年度に2億3500万円 まちづくりと公共交通を一体的整備

熊本市電延伸の整備イメージ(市提供)

 国土交通省が2024年度の事業ごとに示した予算配分(箇所付け)で、熊本市電の延伸事業への補助が初めて盛り込まれた。まちづくりと公共交通の一体的な整備を進める「都市・地域交通戦略推進事業」として、2億3500万円を充当。市は延伸区域の詳細設計や用地測量などに使う。

 国交省の補助には、公共施設や医療機関などに対する住民のアクセス性向上や、沿線への居住促進を図る狙いがある。24年度は熊本市東区の健軍町電停から市民病院までの「東町線」(仮称、約1・5キロ)の延伸を含む市の取り組みも、補助対象に加えることを決めた。

 熊本市移動円滑推進課によると、補助は24年度から5年間。初年度は延伸区域の詳細設計や用地測量、既設のレール交換などを進める。補助の財源は社会資本整備総合交付金。

 市は29年度に延伸区間の一部で運行を始め、31年度の全線開通を目指す。延伸の概算事業費135億円のうち、国の補助金などを活用することで、市の実質的負担額が53億円になると想定している。(中尾有希、臼杵大介)

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