【千葉魂】ベテラン右腕躍動 西野と田村名コンビ 千葉ロッテ

西野(右)と田村

 桜舞い散る大宮のグラウンドでベテラン右腕が躍動した。西野勇士投手が4月9日のライオンズ戦で7回を投げて被安打5、無失点。今季初勝利を挙げた。試合前まで雨が降り、風が強く吹く悪コンディションの中、堂々たるピッチングでチームを勢いづかせた。

 西野が「キャッチャーがうまくリードをしてくれた」と言えば、マスクをかぶった田村龍弘捕手も「西野さんがめちゃくちゃ良かった。コントロールが抜群に良かった」と絶賛した。

 投手の良さを引き出した捕手とその要求にしっかりと応えた投手。西野と田村のバッテリーからは強い信頼関係が生み出すあうんの呼吸を感じる。

 西野は言う。「同じ感覚で投げることができている感じがする。サインで首を振ることは、ほとんどない。1試合に1度あるかないか。いや、ないかな。3試合に1度ぐらい。いつもピッタリと合う」

 この試合はフォークボールがさえていた。今季初先発となった4月2日のホークス戦(PayPayドーム)では6回2失点で負け投手。次回登板に向けて落ち幅を大きくできないかを検証した。参考にしたのが後輩の種市篤暉投手。フォークを武器に三振を量産する若者に練習後のロッカーで握りなどを聞いた。

 「そういうことに年齢とかプライドとかは関係ない。年上の方でも年下の選手でも学べるものは学びたい。いつでも気になることがあれば聞くというスタンスでやっている」と西野は笑う。

 このフォークは、わずか1週間の調整期間でフィットし、結果的に功を奏した。打者がフォークに苦戦をしているのを反応で感じたバッテリーはこのボールを中心に配球。スライダー、シュートも生き、凡打の山を築くことができた。

 「もちろん、日々のコミュニケーション取っていますが、田村がいろいろと打者の反応とかを感じてくれて、それに沿って配球をしてくれる。いつもすごい研究してくれているし、見てくれている。洞察力をすごいと思う。それにピッチャーの気持ちを考えて気持ち良く投げやすいように、乗っていけるように配慮してくれている」と西野は全幅の信頼を寄せる。

 昨年は8勝。今年こそ自身初の規定投球回数到達と2桁勝利を目指すプロ16年目右腕が頼りにする女房役と二人三脚、長いシーズンを歩んでいく。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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