「雪の回廊」ドライブ楽しむ 八幡平アスピーテライン開通

 秋田県鹿角市と岩手県八幡平市を結ぶ「八幡平アスピーテライン」(全長26.6キロ)の冬季閉鎖が15日、解除された。快晴の下、観光客らが早速「雪の回廊」のドライブを楽しんだ。雪の回廊は大型連休明けごろまで楽しめるという。

 アスピーテラインは除雪でできた雪壁の間を走行でき、全国から観光客が訪れる。昨年11月6日から冬季閉鎖となっていたが、冬季閉鎖区間20.4キロのうち本県側9.8キロを県鹿角地域振興局が3月5日~4月9日に除雪していた。

 15日は八幡平ビジターセンターで開通式が行われ、鹿角市の関厚市長ら行政、観光関係者ら約30人が出席。県鹿角地域振興局の兎澤繁友局長が「八幡平の観光シーズンがいよいよ幕開けとなる。これまで以上に観光客に訪れてもらえるよう、振興局としても情報発信の強化などを図っていく」とあいさつし、テープカットを行った。

 式典後、午前10時に本県側の蒸ノ湯ゲートから岩手県側の緑ケ丘ゲートまでの17.6キロが開通。待ちわびた車両が続々と雪の回廊を通り抜け、今シーズンの走り初めを楽しんだ。秋田県側の雪壁の高さは約4.0メートルで、例年より2メートルほど低いという。

 蒸ノ湯ゲートから7キロ先にある岩手県境付近の見返峠では、森吉山や岩手山、鳥海山などが見渡せた。大館市から訪れた久松俊英さん(64)と妻由佳子さん(62)は「雪壁は例年より低めかもしれないが、天気が良くて最高の見晴らしだ」と話した。

 この時期は悪天候の日が多く、閉鎖解除後も通行できない年もある。解除の日に通行可能となるのは3年連続。開通した区間は路面凍結や積雪の恐れがあるため、5月下旬まで夜間(午後5時~翌朝8時半)は閉鎖する。

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