今春の賃上げ、平均1万4455円 愛知経協が中間報告

 愛知県経営者協会(愛知経協)は15日、会員企業を対象にした春季労使交渉状況の中間報告を発表した。妥結金額が判明している75社の単純平均(定期昇給、ベースアップ含む)は1万4455円で増加率は5.09%、このうち前年比較が可能な66社平均は4651円のプラスだった。従業員の規模別で、千人以上は2年連続で大幅な賃上げが行われた。300人未満でも大幅な賃上げとなった。

 中間報告では会員888社のうち210社を対象に、4月11日までに回答のあった88社を集計した。

 従業員規模別の妥結金額の平均は、千人以上が1万5628円(増加率5.26%)、300人~999人が1万4589円(同5.13%)、300人未満が1万605円(同4.34%)だった。

 基本給を底上げするベースアップ(ベア)については、81.8%(72社)の企業が実施した。ベアの平均額は9061円(増加率3.23%)となっている。

 交渉で考慮した要素(複数回答)に関しては「人材確保・定着」が57社(前年同時期は37社)と最も多く、次いで「物価の動向」が50社(同43社)、「業績」が46社(同46社)だった。

 愛知経協は「これから妥結する企業は、比較的規模の小さな企業が多いため、6月の最終報では、妥結金額は減少すると予想される」(担当者)としている。

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