米利下げ急ぐ必要ない、景気・労働市場堅調で=SF連銀総裁

[パロアルト(米カリフォルニア州) 15日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は15日、米経済と労働市場が堅調で、インフレ率がなお米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%を上回って推移しているため、利下げを急ぐ必要はないと述べた。

「緊急性がないときに急いで行動するのは最悪の行為だ」とスタンフォード経済政策研究所で語った。

FRBは最後の利上げから1年以上経過する9月中旬まで政策金利を5.25─5.5%に据え置き、その後年末までに2回利下げを行う見通しが強まっている。しかし、年初から3カ月のインフレ率が大方の予想を上回った。一方、個人消費や労働市場は堅調に推移し、現在の政策スタンスが制約的すぎるという懸念はほとんどない。

3月時点では、ほとんどのFRB当局者が年内に少なくとも3回の利下げを見込んでいた。

デイリー総裁も2週間前には年内3回の利下げが「妥当」との見方を示していた。

この日は従来の見解を繰り返さずに、利下げ検討が適切と考えるタイミングについて明確な手掛かりも示さなかった。利下げを実施する前にインフレ率が2%に向かっていると確信する必要があると指摘するにとどめた。

「政策は良い位置にある。われわれは構えの姿勢を取っている」と述べた上で、足元の粘着性のあるインフレが政策の先行きを示しているとの考えや、インフレ率低下が続く予想が実現するという確信を過剰に強く持たないよう留意する必要があると語った。

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