福島県伊達市のイオンモール、2026年に開業遅れか 工事労働者確保が難航 地域経済への影響懸念

 福島県伊達市堂ノ内地区に12月開業予定だった大型商業施設「イオンモール北福島(仮称)」のオープン時期は、2026(令和8)年中となる方向で調整が進んでいることが15日、複数の関係者の話で分かった。1年以上ずれ込む見通しで、建設工事に携わる労働者の確保が難航していることなどが理由とみられる。県北地方では福島市のJR福島駅東口で計画されている再開発ビルの開業時期も当初の予定から2年程度遅れるもようで、地域経済への影響が懸念される。

 イオンモール(本社・千葉市)は近く、開業に向けた見通しなどを発表するとみられる。同社は15日夕方、福島民報社の取材に「広報担当者が不在」と答えた。

 地域最大規模の商業施設となり、雇用人数は延べ約3千人を見込む。多くの専門店などが入るため、開業の遅れにより地域の買い物環境に影響が出るとみられる。周辺の地域では、イオンモール進出を機に波及効果を取り込もうとする動きがある。ただ、具体的な日程が不明なため、動きにくい状態という。

 イオンモールは2021年3月に、開業予定日を2024年以降と公表。2021年7月、県商業まちづくり推進条例に基づいて県に提出した施設の新設届け出は、オープン予定日を2024年12月1日と記した。国道4号沿いに広がる建設予定地の土地区画整理や、周辺道路の拡幅工事が今年3月までにほぼ終了し、今後、建物の建設が始まる。これからの工事の進捗(しんちょく)具合によっては開業時期が前後する可能性もある。

 建設予定地は東北中央自動車道「相馬福島道路」の伊達桑折インターチェンジ(IC)やJR伊達駅の近く。イオンモールから県に提出された届け出によると、敷地面積は17万699平方メートル、店舗面積は計6万平方メートル、延べ床面積は11万平方メートル。1日当たりの集客予定者数を約5万7千人と想定している。

【イオンモール建設を巡る主な経過】

1995年2月 イオン興産(現イオンモール)が伊達町(現伊達市)に出店を打診

2016年10月 福島市が反対声明を発表

2020年11月 福島市が容認

2021年3月 イオンモールが開業予定日を2024年以降と発表

 〃 5月 伊達市が出店手続きに必要な「市商業まちづくり基本構想」を策定

 〃 7月 イオンモールが開業予定日を2024年12月1日とした新設届け出を県に提出

 〃 11月 土地区画整理事業の安全祈願祭

2022年2月 イオンモールの新設届け出について、県が事実上「了承」

2024年3月 建設予定地の土地区画整理や周辺道路の拡幅工事がほぼ終了

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