次期「iPhone 16 Pro」、新型反射防止コーティングでレンズフレアやゴースト低減か

iPhoneのカメラは長年にわたり進化を遂げてきたが、それでもレンズフレアやゴーストといったアーティファクト(意図せず現れる不要な要素)からは逃れていない。しかし、アップルが次期「iPhone 16 Pro」モデル向けに新たな反射防止工学コーティング技術を施したカメラレンズをテスト中との噂が報じられている。

これは韓国ブログNaverユーザーのyeux1122氏が発信していることだ。同氏はiPhone 15シリーズでも常時表示がProモデル限定であることや、Qi2対応により非認証アダプタでも15Wワイヤレス充電可能になることなど、公式発表前に正確な情報をもたらしていた。

今回の投稿は、アップルのサプライチェーン関係者の話とされるもの。iPhoneのカメラレンズ製造工程には、新型のALD(原子層堆積法)装置の導入が検討されているという。

ALDは、原子の性質である自己制御性を利用し、基板上に一層ずつ原子を堆積していくことで、厚みや組成を高度なレベルで制御できる。主に半導体製造に採用されており、近年ではイメージセンサーなどカメラ部品から宝飾品に至るまで活躍の幅を広げている。

カメラレンズに関しては、ALDは反射防止コーティングを施すことが可能であり、太陽光などの明るい光源がレンズに差し込むと発生する光の筋やハローのような写真のアーティファクトを低減するのに役立つ。

またALDは、ゴーストも緩和できる。ゴーストとは、写真に不要な光の帯や球状の像が映り込むこと。これはレンズやカメラ本体内で、強い光の反射が繰り返されることで発生するものだ。

すでに反射防止コーティング技術はあるが、既存のものはALDよりも相対的に分厚く、コーティングにムラができやすい。ALDは一層ずつ精密にコーティングすることで、精密に調整できるというわけだ。

非常に細かな改善にも思えるし、フレアやゴーストは日常的な風景を記録するだけなら大した問題ではないだろう。ただ、近年アップルはiPhone Proモデルを「映画も撮れる本格的なビデオ機材」だとアピールしており、妥協を許さない姿勢を示す必要があるのかもしれない。

© 株式会社 音元出版