大谷「英語力」格段向上の皮肉とプラス効果 元通訳・水原容疑者の裏切りが副産物を生んだ

大谷(C)ロイター/USA TODAY Sports

ドジャース・大谷翔平(29)の英語力が格段にレベルアップしているという。

日本時間14日には、パドレス戦を前に中継局のESPNの番組にビデオ出演し、英語で自身のスパイクを紹介。同局によれば、スパイクの特徴を流暢に説明する大谷の英語力にインタビュアーも驚いていたという。

大谷は3月26日、水原一平元通訳(39)による違法賭博、不正送金に関して報道陣に対応した際、初めて事実を知ったのは韓国開幕戦(同20日)のミーティングだったと明かし、「彼(水原元通訳)は全て英語で話していたし、その時、僕に通訳が付いていなかったので、完全には理解できていなかった」と話したが、グラウンドでは通訳いらずだ。

これまで球場内ではもちろん、銀行の口座開設など、公私にわたって水原元通訳にオンブに抱っこだった。金銭管理まで元通訳に任せっ切りにしていたため、不正送金という大事件を招いた。

球団は新たにウィル・アイアトン氏を臨時通訳に起用したが、大谷はこれまでのように頼ってはいない。練習中やベンチでは通訳抜きで同僚と会話しているシーンが目立ち、これは大谷自ら積極的にコミュニケーションを取っている。

現地で取材する米放送関係者がこう言う。

「これまで水原元通訳を信用し過ぎた挙げ句、裏切られる羽目になっただけに、改めて英語でのコミュニケーションの重要性を痛感したのでしょう。ベンチで野球に関して話す際、ほとんど通訳を介すことはなくなった。新しい通訳のアイアトン氏の本職はデータ分析で、大谷の通訳は兼務の状態。試合中、通訳は1言語につき1人までというMLBの規定があり、由伸をサポートする園田通訳がいるため、アイアトン氏はアナリストとしてベンチ入りしている。試合中に時折、姿が見えないのはビデオルームで対戦相手の分析を行うこともあるからです。自分でコミュニケーションを取らなければならないだけに、必然的に英語を使う機会が増しています」

同僚の大谷への接し方も変わったという。キャンプ中は水原元通訳を介して大谷に話しかける選手は少なくなかった。今ではアイアトン通訳を抜きにして英語で話しかける選手が少なくない。

元通訳の背信行為が結果的に大谷の英語力向上につながるとは皮肉な話ではある。

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