経営危機の青森ワッツ 次期オーナー「ほぼ決定」、B2残留「大きく前進」 島田チェアマンが説明

青森ワッツの現状について説明、ブースターの支援に感謝を伝えた島田チェアマン=14日、青森市のマエダアリーナ

 プロバスケットボールBリーグの島田慎二チェアマンは14日、運営会社の経営危機が表面化した青森ワッツについて、次期オーナーがほぼ決定したことを明らかにした。現在継続審議となっている来季のB2ライセンス交付についても「大きく前進すると思う」と前向きな考えを示した。

 同日、青森市で行われたワッツのホーム最終戦に来場し、ブースターに状況を説明した。焦点となっていた今期(2023年7月~24年6月)の運転資金確保に向けた動きも一気に進んでおり、クラブ存続はもちろん、来季のB2残留が現実味を帯びてきた。

 ワッツの運営会社「青森スポーツクリエイション(ASC)」を巡っては、同社の経営に参画した筆頭株主が経営破綻。ASC社は3月2日の会見で約3800万円の債務超過に陥っていることを説明。今期の運転資金などに5千万円が必要-として、応援口座開設や支援ステッカーを製作するなどして支援を募っていた。

 島田氏の来県は今月に入り2度目。8日の来県時は「運転資金として約4千万円を確保できた」(ASC社・北谷稔行社長)状況だったが、その後も支援が広がり、14日時点で約4500万円を確保したという。

 島田氏はこの日、クラブ存続へ資金援助や寄付、グッズ購入に加え、ホーム戦のポスター掲示などに奔走したブースターやスポンサーに「ものすごいエネルギーで支援いただいた」と感謝。「残り500万円、もう少しのところまで来た」と、最後の支援を訴えた。

 その上で「次のオーナーについては良い方向に向かっていて、ほぼ決まっている」と説明。ライセンス取得についても「ちょっとだけ安心してください」と期待感を持たせた。

 試合後、報道陣の取材に応じた島田氏は、経営危機が表面化してから1カ月超で次期オーナーや資金繰り、B2ライセンスに向けた動きが好転したことを「短期間でこの難しい状況を改善できたのは奇跡」と指摘、クラブ側の努力もたたえた。次期オーナーの詳細については言及しなかった。

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