「白髪染め」を卒業したら、60代のおしゃれはもっと楽しくなる!…黒髪から白髪への〈移行期〉を素敵に乗り切るための「とっておきのアイテム」【スタイリストが伝授】

(※写真はイメージです/PIXTA)

60代にとって、避けては通れない「白髪」問題。黒髪から白髪への移行期は、生え際や色の境目が気になってしまうものですが、そんな悩みはおしゃれに解決しましょう! 花本幸枝氏の著書『今日からもっと自由に楽しく 60歳からの着こなし』(大和出版)より、ファッションのアクセントにもなる、ヘア小物を紹介します。

グレイヘア移行期の乗り切り方

グレイヘアの質問で必ず聞かれるのが、移行期の乗り切り方法です。白髪が伸びきるまでは、白と黒の境目がはっきりしますから、不自然に見えてしまいます。いろんな方がさまざまな方法を紹介されていますが、私がおすすめするのは、「くつ下ターバン」と「スカーフをターバンのように巻く」です。

私は白髪が少ないうちに染めるのをやめたので、移行期は何もしませんでした。ただ、美容に構っていない人に見られないように、いつも以上におしゃれには気をつけましたよ。

くつ下ターバンは、今回モデルもお願いした、YouTuberの島崎真代さんの発案です。最初は、誰もが似合うものではないと思っていましたが、自分でやってみてびっくり! 靴下で結ぶターバンは、締め付けもなくラクです。そのうえ、誰がやっても大人可愛くなります。

トライしやすい素敵な「くつ下ターバン」

「くつ下ターバンて、何?」と思われますよね。島崎さん考案のくつ下ターバンは、100円ショップで売っているくつ下でつくるターバンです。

メンズの靴下を縫い合わせてつくります。靴下なので伸縮性もあり、頭に巻いても痛くなりません。何より、100円でできるのですから、トライしやすいですね。

[写真1]「くつ下ターバン」の作り方 出所:『今日からもっと自由に楽しく 60歳からの着こなし』(大和出版)より抜粋

島崎さんのインスタやYouTubeでこのくつ下ターバンは紹介され、たくさんの方が愛用されています。生え際の白髪もおしゃれに隠せますから、移行期にとても重宝します。

〈巻き方のポイント〉

・耳が出ていると子どもっぽく見えるので、必ずターバンを耳にかぶせる

・巻く時には、かかと部分を上にして巻く

・結び目の先は、頭に馴染ませて立たせない

・ターバンには、大振りのイヤリング、ピアスが似合います!

くつ下ターバンに慣れてきたら、スカーフをターバンにして巻いてみましょう。色や柄がコーディネートのアクセントになるだけでなく、結び方でいろんなイメージがつくれます。島崎さんのインスタYouTubeにたくさん紹介されていますから、ぜひご覧になって参考にされてくださいね。

[写真2]結び方でいろいろなイメージが作れるスカーフ 出所:『今日からもっと自由に楽しく 60歳からの着こなし』(大和出版)より抜粋

どこにでも使えるのは「ウィッグ」

さすがにターバンで、冠婚葬祭には行けません。どんな場合でも大丈夫なのがウィッグです。初めてグレイヘアのウィッグを試着したところ、あまりに自然と馴染んだのに驚きました。ウィッグの白髪の量が地毛よりも多かったのですが、動きがある軽やかなヘアスタイルで、むしろ若々しく見えました。

「若々しく見えるヘアは、色ではなくボリューム」を実感した瞬間です。これなら移行期だけでなく、急なお出かけの時にも使えて便利ですね。ウィッグを選ぶポイントは、黒髪ではなく、グレイヘアや明るい色にすること。

実は、いちばん老けて見えるのが、黒髪です。年齢を重ねたら髪は明るめにしたほうが、自然に見えます。

おしゃれは、ヘアスタイルで決まると言って良いくらい重要です。それを考えると、おしゃれ度を簡単に上げるアイテムとして、ウィッグは投資価値があります。

安いウィッグもありますが、メガネと同じように顔の近くにつけるものですから、ある程度良いものをおすすめします。おすすめは、店頭で頭のサイズに合わせてくれ、似合うようにヘアカットをしてくれるタイプ。少し高価でも、メンテナンスをしてくれるところで購入すると、長く使えますよ。

白髪は、「老いを受け入れる」きっかけになります。確かに老けて見えますが、おしゃれが楽しくなる要素もたくさんあります。そんなに怖がらず、軽い気持ちでトライされてはいかがでしょう。

やっぱり嫌だわ、と思えばまた染めれば良いんです。

私が白髪染めをやめた10年前に比べると、街でグレイヘアの女性をよく見かけるようになりました。そのたびに、染めない選択もできるようになったんだとうれしくなります。以前は白髪でいるとだらしないとか手抜きと言われましたものね。

花本幸枝
グッドエイジスタイリスト

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