ガスの元栓は「こまめに◯◯すべき」 ガス会社の解説に「初耳だった!」

※写真はイメージ

ガスの元栓を『こまめに閉める』ことは、安全のため広く浸透している習慣です。

しかしながら、実際にガスの元栓を閉めるタイミングは『ガスコンロを使い終えた時』『就寝する時』『長期で外出する時』など家庭や人によってさまざま。ガスの元栓はどのような頻度で開閉するのが適切なのでしょうか。

住まいのガス設備のプロフェッショナル『東京ガスネットワーク株式会社』にガスの元栓の適切な開閉や、ガス漏れを防ぐための心得を聞いてみました。

ガスの元栓はこまめに閉めたほうがいい

東京ガスネットワーク株式会社による回答は次のとおりです。

「『ツマミがある』ガスの元栓は使用後に閉めるのが望ましいですが、『ツマミがない』ガスの元栓は開け閉めをする必要はありません」

ツマミがあるガスの元栓

東京ガス公式ホームページより

『つまみのあるガスの元栓』は、主に『ガステーブルタイプ』のコンロに付属しています。調理台の上に設置するタイプのガスコンロで、本体の周りに元栓が設置されているのがほとんどなので、開閉の状態がひと目でわかります。

使い終わったら閉めるのが望ましいですが、元栓が開いているからといって必ずガス漏れが起こる訳ではありません。

ツマミがないガスの元栓

東京ガス公式ホームページより

『ツマミがないガスの元栓』はホースを差し込むと自動で栓が開くタイプのガスの元栓です。

ヒューズと呼ばれる安全装置が備わっており、接続したガスホースや器具に問題が生じた時には自動でガスの供給が遮断されます。そのため、使用者は元栓の開け閉めをする必要がありません。

また「ガスの元栓を閉めておくことで光熱費の節約になるか」という問いに対しては、別途に東京ガス株式会社の窓口より「元栓を閉めているか、開けているかでガス料金に明確な差が出ることは考えられない」との回答を得ました。

ガスの元栓を閉めないことのリスクは

ガスの元栓を開けたままだとどうしても心配を拭い去れないのが、ガス漏れのリスクです。この点について東京ガスネットワーク株式会社は「最近のガス栓は開放された状態でも、ガス漏れが起こらないように設計されている」といいます。

実は、ガス漏れを未然に防いでいるのが『ガスメーター』です。ガスメーターはどんな住宅にも必ず設置されており、地震などによるガス漏れのリスクを感知した時には自動的にガスを遮断するシステムを備えています。

とはいえ、想定外のトラブルや機器の故障などのリスクはゼロにできません。ガスコンロの使用後や外出時などには『閉められる元栓は閉める』のが、安全のための基本と心得ましょう。

ガス漏れしていないか心配! 確認する方法は

ガス漏れを感知する第一の手段は『ニオイ』です。家庭で使用される都市ガスやプロパンガスには、ガス漏れをいち早く感知するためにニオイが付けられています。

ただ、自らの嗅覚だけが頼りでは心細いという人も多いでしょう。そこで有効なのが、ガス漏れや、ガスの不完全燃焼で発生する無臭の一酸化炭素(CO)も検知する『ガス・CO警報器』です。

消防法により全ての住宅に設置が義務付けられた『火災報知器』には、ガスと一酸化炭素を検知する機能が付いたものがあり、東京ガスの公式サイトでも奨励されています。住まいにより一層の安全性を求めるのであれば検討してみましょう。

ガス漏れを防ぐには日常的な点検が第一

日本の住宅では、およそ4年ごとに法律で定められた『設備定期保安点検』が実施されます。そのうえで「ガス漏れを防ぎ、安全にガス機器を扱うためには日常的なチェックがとても大切」と東京ガスネットワーク株式会社はいいます。

・ガスの元栓のツマミが動きにくくなっていないか

・ガスホースが熱や油汚れで劣化していないか

・コンロの燃焼部分が焦げ付きなどで詰まっていないか

上の3つの注意すべきポイントは、ガスの元栓の日常的な開閉とガスコンロ周りを清潔に保つことでチェックできます。ぜひ生活に取り入れて、トラブルを未然に防ぎましょう。


[文・構成/grape編集部]


出典

東京ガスネットワーク株式会社

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