終盤の失点がトラウマにならなければいいが…。脳裏に焼き付いている城福監督の言葉【東京V】

2024年シーズンのJ1リーグの8試合を終えて1勝5分2敗の15位。16年ぶりにトップリーグの舞台で戦う東京Vは、ここまで思うように勝点を積み上げられずにいる。

「ゲームの終盤で痛い想いをしているのを繰り返している」

FC東京とのダービーマッチ後、そう反省していたのは城福監督だ。

横浜FMとのリーグ開幕戦で89分、90+3分に失点すると、続く浦和戦も89 分に被弾。さらに3節のC大阪戦で90+3分に決勝点を奪われ、先の東京ダービーでは90+4分に同点弾を決められた。

4節の新潟戦や5節の京都戦のように土壇場で追いつく試合もあるが、どちらかと言えば今季のヴェルディは勝点を取りこぼしている印象のほうが強い。

横浜FM戦やFC東京の試合などを振り返ると、いずれも前半は素晴らしいゲームをしている。 4-4-2システムで組織的に守り、素早い切り替えからゴールを目指す。チームとしてまとまっているし、決して悪いサッカーをしているわけではない。

しかし、後半、特に80分を過ぎたあたりからプレー強度が弱まり、疲労の色がグッと濃くなる印象がある。やはりJ1のプレー強度はJ2と違うのか、そんな感想を抱いてしまう。

実際、FC東京戦後にキャプテンの森田は次のようなコメントを残している。

「失点の場面も、なぜか一歩寄せられていないとか、細かい部分。こういう形で勝ちを逃し続けているので、本当に反省するしかない」

そしてDFの林も「また勝ち切れない試合をしていて、情けなさ、悔しさがあった」「心の中で相手が10人だからというのがあるのか、シンプルに疲れていたのか分からないが、(ボールに)行けていないのは後ろから見ていても感じていた」と話している。

終盤の失点がトラウマにならなければいいが…。横浜FM戦での城福監督の言葉が脳裏に焼き付いている。

「内容が悪くなくて勝点がとれない状態が続くと、自信喪失につながる。私はそれを経験しているので、『内容が悪くなかった』という言葉でまとめたくない」

ただ、ポジティブに考えればリーグ戦で5試合無敗なのだ。その現状をどう捉えるかで、監督、選手の心理状態は変わってくるか。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

© 日本スポーツ企画出版社