4月に子どもが手取り「19万円」の会社に上京して就職しました。仕送りする余裕がないので心配です……

東京で生活するための賃金の基準

4月から、新社会人となり上京する息子をもつAさん。物価が高いといわれる東京で、手取り19万円でもやりくりできるのか不安を抱いています。

そもそも一人暮らしには、どのくらいの生活費がかかるのでしょうか。総務省の「家計調査家計収支編 2023年 単身世帯・勤労者世帯」より、大都市における生活費の目安を見ていきましょう。2023年度の消費支出は17万3660円で、手取りが19万円あればやりくりできる範囲であるといえます。

支出の内訳

次に、支出の主な内訳を見ていきましょう。

__食料:4万4038円
外食:1万2184円
住居:2万6992円
光熱・水道:1万1992円
被服及び履物:5009円
保健医療:7705円
交通・通信:2万1007円
教養娯楽:2万494円__

上記の内訳のなかで、注意したいのが住居です。東京23区でワンルーム・1K・1DKの家賃相場は、およそ7万〜13万円台と上記の金額を大きく上回ります。そのため、無理なくやりくりできるかどうかは、社宅や家賃補助の有無にも大きな影響を受けると考えられます。

貯金額の平均は2万7812円

ある程度まとまった貯金があれば、生活にもゆとりが生まれます。株式会社AlbaLink(東京都江東区)が運営する「訳あり物件 買取プロ」が実施した、「一人暮らしの平均的な貯金額に関する意識調査」(調査期間:2023年8月25日~9月2日、有効回答数:506人)によると、平均的な貯金額は2万7812円でした。

しかしこれは平均額に過ぎず、「1万円超2万円以下」と回答した方が22.2%と最多を示しています。さらに貯蓄額が1万円以下の方も38.6%おり、6割以上の貯金額は平均を下回る結果となりました。新卒社員ではまだ給与が低いので、貯蓄に回せる金額も少ないと考えられます。したがって、貯蓄に励みたい場合には節約にも工夫が必要となるでしょう。

若者が楽しく節約するためのコツ

節約を成功させるためには、無理なく取り組めるものから始めることが大切です。そこで、初めて一人暮らしする方でも挑戦しやすい節約術を見ていきましょう。

マイボトルや浄水ポットを使う

職場や外出先で、飲み物を買う機会も多いのではないでしょうか。1日あたりは数百円でも、毎日のことになると出費がかさんでしまいます。そこで飲み物を買わないで済むよう、マイボトルの持ち歩くのがおすすめです。

また、自宅ではミネラルウオーターを買わないで済むように、浄水ポットを活用してみてはいかがでしょうか。水道水を飲料水にできるので、ミネラルウオーターを購入するよりお得です。

まとめ買いする

買い物の頻度が増えると、不要不急のものまで買ってしまいがちです。そこで、食料や日用品はまとめ買いするのがポイントです。予算も1週間単位で決められるので、細かい金額を意識せずとも節約に取り組みやすくなるでしょう。

サブスクを整理する

定額でさまざまなサービスが使い放題となる、サブスクリプション(サブスク)への加入経験がある方も多いでしょう。20代の利用率は高いですが、なかには利用頻度が低いサービスもあるのではないでしょうか。

そこで、利用頻度や必要性の低いサブスクを整理するとよいでしょう。どれを整理するのか決められないときは、毎日使うもの以外は思いきって退会してしまうのもおすすめです。必要になれば、いつでも再入会できるのもサブスクの魅力です。

まとめ

新卒社員でも東京で問題なく一人暮らしを送れますが、慣れるまでは節約に取り組むのも難しいかもしれません。そのため、初めのうちは生活が苦しく感じる場面もあることでしょう。親として心配という方は、現金での仕送りが難しくても、日用品や日持ちする食料を送るなど形で応援してみてはいかがでしょうか。

出典

総務省統計局 家計調査家計収支編 単身世帯 2023年 表番号3 都市階級・地方別
株式会社AlbaLink 訳あり物件 買取プロ 一人暮らしの平均的な貯金額に関する意識調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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