水原容疑者の行動で「ショウヘイになぜ?と聞けなかった」 米記者が問題視、騙された大谷側の構造

ドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】

ESPNのパッサン記者が問題視…水原容疑者に巨額を盗ませたいびつな構造

ドジャースの大谷翔平投手の通訳を長く務めた水原一平容疑者が巨額の違法賭博に関与し、大谷の1600万ドル(約24億7000万円)以上の資金を盗用したとされる事件で、米大リーグは大きく揺れた。米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者は、被害を防ぐために、騙された大谷の側にも足りなかった部分があると指摘している。

事件は3月20日に韓国・ソウルで行われた開幕戦の前に発覚した。水原容疑者は試合後にロッカーで選手たちに自身がギャンブル依存症であることを告白し、即解雇された。その後、大谷の口座から1600万ドル(約24億7000万円)以上を勝手に賭博の胴元へ送金していたことが発覚。銀行側の確認まで欺いたとして銀行詐欺罪で訴追されている。

パッサン記者は米国のストリーミングサービス「Rokuチャンネル」の番組「ザ・リッチ・エイゼン・ショー」に出演し「結局のところ、コミュニケーションの欠如、不十分なコミュニケーションがオオタニ陣営に罰を与えました」と、巨額の被害には大谷側にも非があったと指摘した。

「ショウヘイ自身の、信頼していた人を信用したくなる願望は分かりますが、7億ドル(=当時約1014億円)の契約を結ぶような人を抱えているなら、さらなる保護層が必要な時もあります。今回はそれが欠けていました」として、大谷とその周辺が、一切のコミュニケーションを通訳だった水原容疑者に頼る構造になったのを問題視している。

水原容疑者は代理人のネズ・バレロ氏や会計士らスタッフと大谷のコミュニケーションを担い、双方に誤った情報を流すことができた。訴状によれば2022年の10月ごろ、会計士と大谷が面会する予定があったが、水原容疑者が大谷は病気だとして1人で面会に現れた。さらに「大谷がプライベートなものにしておきたがっている」と口座情報の閲覧を拒否している。

パッサン記者は「その時ショウヘイのところに戻って『本当にプライベートにしておきたいの? なぜ?』と聞くことができなかったんです」とチームの“欠陥”を指摘していた。

THE ANSWER編集部

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