「水原一平は“究極の権力”を与えられていた」米経済紙、大谷翔平のエージェント企業の不備を指摘「CAAが予想できなかったのは、組織がたったひとりの人間に…」

米国ロサンゼルスに本部を置く世界的なエージェント企業『CAA』が、顧客である大谷翔平の元通訳、水原一平容疑者に手玉に取られた。水原容疑者は2021年11月、大谷になりすまして銀行口座にアクセスして初めて不正送金。以降の約2年間で、約1万9000回も賭博を行ない、違法に動かした金額は1600万ドルにのぼった。

米メディア『Sports Business Journal』によると、『CAA』は“水原スキャンダル”を受けて、大谷のサポート体制の再編を検討しているという。「簿記担当、財務マネジャー、会計士、個人ブランドのマーケティング担当など、包括的なサポートネットワークを約束した」ようだ。

同メディアは米経済紙『WALL STREET JOURNAL』の記事を引用しながら、「CAAが予想できなかったのは、組織全体がたったひとりの人間によって、いかに簡単に危険にさらされるか、ということだった。最大の弱点はオオタニの長年の通訳だった」と今回のスキャンダルに言及した。
「オオタニの世界では、ミズハラは“究極の権力”を与えられていた。オオタニとチームメイト、コーチ、メディアとの連絡役であっただけでなく、CAAに関連する事項の事実上のスポークスマンでもあった」

また、『CAA』は大谷に対して、野球以外の身の回りの世話に時間を取られないよう、十分なサポートを行なっていたという。それでも元通訳の行動について「CAAが説明できることは何もなかった」と、その不備を報じている。

「オオタニの主席エージェントであるネズ・バレロ氏は、オオタニと直接話をしたり、定期的にメッセージを交換するようなことはなかった。バレロ氏はその代わりにミズハラを通じて、オオタニにメッセージを伝えていた」

あらゆる事柄が通訳を経由したことで、水原容疑者はすべてをコントロールできる立場にあった。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社