群馬県の桐生、みどり両市にまたがる鳴神山の保安林で県外の業者が許可なく土砂を搬入し、県が森林法に基づき行為の中止などを命じる行政処分をしていたことが15日、分かった。
県桐生森林事務所によると、土砂が搬入されたのは桐生市川内町の山あいの林道で、業者は市有地と私有地計2カ所に大量の土砂を搬入している。
地元関係者からの相談を受け、同事務所は昨年12月に事態を把握。事前に申請がなかったため、職員が現地へ出向くなどして、業者に口頭や書面で搬入の中止と土地の現状復旧を求めたが、改善されなかった。
こうした状況を受けて、県は2月19日に搬入の中止や土地の現状復旧を命じる行政処分を実施。履行期限は今月19日となっており、改善されない場合は刑事告発も検討している。
鳴神山周辺はカッコソウの自生地として知られる。同事務所の担当者は「直ちに搬入の中止と現状復旧をしてほしい」とし、桐生市の荒木恵司市長は「県やみどり市と連携して、速やかに対応していきたい」と述べた。