「アラジン」の高級コーヒーメーカー、兵庫県幹部が受け取る 県知事批判文書で指摘 同社からトースターも

兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県の斎藤元彦知事らを批判する文書を作成したとして、西播磨県民局長だった男性(60)が解任された問題で、文書で斎藤知事に贈られたと指摘されていた高級コーヒーメーカーを県幹部が受け取っていたことが分かった。幹部は「地元製品PRのために知事に使ってもらうつもりだった。知事に断られ、返却するのを忘れていた」と釈明。商品は文書が関係機関に送付された後の3月下旬、製造元に返還された。

 県などによると、斎藤知事は昨年8月、視察のため、加西市の家電・調理器具メーカー「千石」を訪問。その際、同社で展開する「アラジンブランド」のコーヒーメーカーとトースター(計約6万円相当)の贈与の申し出を受けたが、斎藤知事は「受け取れない」と断った。しかし翌日、原田剛治・産業労働部長が同社に連絡し、「とりあえず私宛てで送ってほしい」と話したという。

 県の内規では「業務に関連する贈答品は、受け取らないこと」とされているが、原田部長は「知事が使ってくれれば地元企業のPRになると軽く考えてしまった。勇み足で反省している」と謝罪した。

 贈られた商品は秘書広報室に受け取りを拒否され、部長室前の倉庫で開封せずに保管していたという。

 男性職員の文書では、「知事が商品を送るよう指示した」とあったが、原田部長は「直接の指示はなかった」と否定。一方で、半年後に返したことには「返すつもりだったのをすっかり忘れていた。文書を見て思い出した」としている。同社は「(贈与の申し出は)社交辞令の意味合いだった」と説明している。

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