高齢女性から300万円窃盗、元警部補に懲役4年求刑 京都地裁で結審

京都地裁

 捜査で訪れた民家から現金を盗んだなどとして、窃盗や詐欺などの罪に問われた元京都府警捜査2課警部補の被告(57)=懲戒免職=の論告求刑公判が16日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、検察側は懲役4年を求刑した。弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は5月28日。

 起訴状によると、伏見署刑事課に勤務していた2019年7月、変死事案の捜査で訪れた京都市伏見区の民家から現金10万円と腕時計を盗み、20年10~11月、別の高齢女性宅から現金約300万円を盗んだ。21~22年には、捜査協力者への謝礼名目などで捜査費計約6万1千円をだまし取った、としている。

 被告人質問で被告は、金は飲食代に浪費したとし、「お金を手に入れたいという欲望を抑制できなかった。発覚しないだろうという思いがあった」と話し、専門の医療機関で窃盗癖の治療を受けるとした。

 論告で検察側は、「死者の部屋を物色し、立場を悪用するなど大胆で悪質。警察組織に多大な影響を与えた」と指摘。「犯行は長期にわたり、強い非難に値する」とした。
 弁護側は、被告が反省し被害弁償をしているとして、社会で更生する機会を求めた。

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