J1神戸DF酒井があかす町田戦勝利で得た手応え 相手FWとのマッチアップに「完敗だった」の一言も

酒井高徳選手 ※撮影は2023年11月の公開練習より(写真:ラジオ関西)

サッカー・J1のヴィッセル神戸は、13日のアウェイゲーム、東京・国立競技場で行われたJ1第8節で、FC町田ゼルビアを2-1と下し、リーグ戦で3試合ぶりの勝利を飾りました。試合後の囲み取材では、DF酒井高徳選手がメディアの質問に応じ、この一戦の勝利の意義や、個人としての相手とのマッチアップの感想などを述べました。

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エースFW大迫勇也選手の欠場、前節退場処分を受けた正GK前川黛也選手の出場停止というなかで臨んだ、首位・町田とのリーグ戦初対決。ヴィッセルは大卒ルーキーMF山内翔選手の初先発初得点や、FW武藤嘉紀選手の決勝ゴール、加入後初先発となったGK新井章太選手の好セーブなどもあり、序盤戦で首位に立つなど旋風を巻き起こしていた相手を一蹴。終盤の失点こそありましたが、昨シーズン王者の意地を見せつけました。

特に、大迫選手不在時の戦いというのは、今シーズンのチームの大きな課題の1つでしたが、この試合では宮代大聖選手、佐々木大樹選手、武藤選手の前線3人が連動。酒井選手も「3人の関係性がすごく良かったなというのは、後ろから見ていて思ったこと」と述べたうえで、「サコ(大迫)がいない戦い方をチームがどう共通理解を持ってやるかというのもすごくスムーズだったと思う」と、手ごたえを口にします。

また、背番号24は、「シーズン通して(主軸の欠場など)アクシデントは絶対あると思うが、(出る)選手がかわっても勝つことができるというのは、チームの総合力というところですごく大事なこと。なので、この勝ちはすごく大きい」と、この1勝の価値を強調。

前節はホームで上位常連の横浜F・マリノスに苦杯をなめ、今シーズン2敗目を喫するも、「結果だけ見たら負けたけど、内容的にはすごく手応えがあった。特にネガティブになる必要はないかなと思っていた」と、冷静に状況を見極めていた酒井選手。「大事なのは連敗しないこと。その気持ちは今もすごく強くなっている。そのなかで、対町田で結果を残すためにチームとして何が必要か(というところにフォーカスした)。それは今日の結果を見た通りにできたのかなと思う」とコメント。チームとして常々言い続けている『一試合一試合』目の前の戦いに全力で対峙する重要性にも触れます。

一方、この試合での酒井選手個人に目を向けると、町田FW藤本一輝選手と見ごたえあるバトルを展開。時には、いきのいい相手のプレーに苦戦する場面も見られました。

囲み取材の最後には、現地取材を行ったラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』パーソナリティー・芥田愛菜美が「町田の左サイドの藤本選手とのマッチアップはすごく見ごたえのあるシーンでしたが、こちらはいかがでしたか」という質問も。

これに対して、酒井選手は「(藤本選手は)本当にいい選手で、対戦前から自分でも分析はしていましたが、正直、個人的には今日完敗だったなという感じ。今日は終始イヤだったというか、なんか久々に対戦相手にやられたなという感じが非常にあった」と述べ、今シーズン、大分トリニータから町田に加わった25歳のアタッカーをリスペクト。

それでも、「なんて言ったらいいですかね……、DFとして 、久々に楽しかったというか。やられてるからこそ、自分も修正してもっとできるようになるし、またいろんな準備ができると思うので」と、百戦錬磨のサイドバックも、この対戦で大いに刺激を受けたようです。

「個人的にはいろんな収穫があったと思うし、また、自分の今までやってきたことプラス、その対戦相手に対する対策というのをしっかりやることで、もうちょっと強くいけるところはあったと思う」と、この3月で33歳になった元日本代表DFは、あくなき成長への思いも吐露。そのうえで、「本当に彼は今日すごく良かったなと思うし、これは別に上目線とかではなくて、単純に本当にいい選手だなと思ったので。次は負けないようにしたい!」と、丁寧かつ、にこやかに語り、スタジアムを後にしていました。

クリムゾンレッドに加わってから、ハードワークや卓越した戦術眼を示しつつ、イレブンを常に叱咤激励し続け、勝者のメンタリティーをチームに注入。プレーでも、その姿勢や言葉でも、ヴィッセルに不可欠な存在となっている酒井選手。自らの成長の糧をこの町田戦でまたひとつ見つけたなか、これからのさらなる活躍にも期待せずにはいられません。

※ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』2024年4月15日放送回より

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