アルカラスがバルセロナOP欠場に至った経緯を説明「ますます違和感が増してきた」。来週開催のマドリードOP出場も不透明に<SMASH>

現在開催中の男子テニスツアー「バルセロナ・オープン」(4月15日~21日/スペイン・バルセロナ/クレーコート/ATP500)の欠場を表明した世界ランク3位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、バルセロナで開かれた記者会見に登場。その中で今回の出場辞退に至った経緯を説明した。

ディフェンディングチャンピオンとして出場した3月初旬の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATP1000)で殊勲の大会連覇を飾った20歳のアルカラス。しかし翌週の「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ATP1000)では準々決勝敗退に終わり、大会後の世界ランキングでは2位から3位へと後退していた。

得意のクレーシーズンでの巻き返しを図りたいアルカラスだが、先週参戦予定だった「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(モナコ・モンテカルロ/ATP1000)は右腕の負傷を理由に欠場。バルセロナ・オープンの出場見送りも、同箇所のケガがまだ改善していないことによるものだとし、次のように詳細を明かした。

「全てはモンテカルロでの最初のトレーニングセッションから始まった。練習の1時間後に前腕にかなりの不快感が生じた。大したことはないと考えていたが、チームと一緒にできる限り最善の治療を行ない、症状を確認するために必要な検査をした。モンテカルロでプレーするつもりだったが、間に合わなかった」
「数日間の休息を経た後、回復具合を見るために僕は家に戻り、可能な限りバルセロナに出場できるかを検討した。土曜日(13日)の朝に検査を受けたところ、かなり良好だったのでバルセロナでプレーする希望を持てていた。

ところが日曜日、モンテカルロでケガをした日から初めての練習でフォアハンドを打ったが、自分の期待していた状態にはなかった。フォアの強度を上げるたびに、ますます違和感が増していることがわかった」

その上で2022年と昨年に連覇を成し遂げたバルセロナ欠場は「非常に難しい決断だった」と強調したアルカラス。同じくタイトル防衛が懸かる来週開催のマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(4月24日~5月5日/スペイン・マドリード)については「現状では不透明で、そこまでに100パーセントの状態になるのかもわからない」と述べつつ、予定通りプレーできることを切に願っていると話した。

「僕らはトレーニングを続け、感覚をより良くして、正しい感覚かつ100パーセントの状態で試合をプレーできるように全力を尽くすつもりだ。マドリードのファン(の声援)とホームでのプレーを楽しめることを願っている。それは僕にとって非常に重要なことだ。みんなに会えることやマドリードへの愛を満喫できること、そして全てがうまくいくことを願っている」

果たして1週間後、アルカラスはマドリードのコートに立つことはできるのか。何とか回復が間に合うことを祈るばかりである。

文●中村光佑

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