時代を映す、神子田朝市 農家減少も飲食参入でにぎわう

早朝からスイーツなど多彩な出店でにぎわう神子田朝市。新型コロナウイルス禍を経てジャンルが増えた一方、農家が減少傾向にある=13日、盛岡市神子田町

 盛岡市民の台所として親しまれてきた神子田朝市(同市神子田町)が変容している。新型コロナウイルス禍を経て、運営団体に加盟し出店する飲食事業者が増える一方、朝市のルーツとなった生産農家が高齢化や後継者難で減少。これを背景に団体は今年、名称から「生産者」を取って変更した。若い農家の参入も促しながら、昭和と令和の良さを生かしたにぎわい維持へアクセルを踏み込む。

 陽光が差し込む早朝。場内に約90店が連なり老若男女の買い物客が行き交う。野菜、果物、海産物取扱店のほか、スイーツやたこ焼きなどの飲食店にも行列ができた。

 「デパートのような魅力がある」とは、週に1度訪れる会社員松原誠さん(36)=同市東安庭=の評だ。「夕食の材料になる野菜や総菜から、スイーツまで日々の買い物が済んでしまう」と練り歩いた。

 近年、農家以外の出店が増えた。野菜などの生産者が中心だった運営母体「盛岡地区生産者立売組合」は3月、名称を「盛岡神子田朝市」(吉田晃組合長)に変更。組合員から寄せられた「時代に合わない」との声も踏まえた。

© 株式会社岩手日報社