名優ファン・ジョンミン主演で1400万人以上を動員した映画『国際市場で逢いましょう』をはじめ、多くの韓流コンテンツの舞台となっている釜山。
観光都市として発展するとともに宿泊施設も多様化が進んでいる。今回は街歩きが旅の主目的な人におすすめのホテルを紹介しよう。
■釜山旅行で駅チカホテルをおすすめする理由は?
韓国に日系チェーンのホテル東横INNができたのは2008年だから、もう15年も前になる。その第1号が東横INN釜山中央駅(同年4月オープン)、第2号が筆者がよく利用する東横INN釜山駅1(同年12月オープン)だ。
サービス業でも飲食業でも、日本のビジネスモデルが韓国デビューするときは、韓国人の嗜好に合わせて大幅なアレンジが施されることが多いが、東横INNは日本式をそのまま持ち込んだという点がユニークだ。このあたり、1876年に日本によって開港されて以来、人やモノの激しい往来を見つめ続け、外来文化を柔軟に、積極的に受け入れる釜山らしさが感じられる。
当初は部屋が広いモーテル(ビジネスマン、旅行者、カップルなどが利用する宿)に慣れている韓国人の目に、東横INNの部屋は窮屈に感じられるのでは?と心配されたが、今ではコンパクトながら清潔で機能的な部屋は韓国人にもすっかり受け入れられたようだ。
宿泊料は朝食ビュッフェ付きでシングル1泊60,000~70,000ウォン程度。1階ロビーの自販機で売っている歯ブラシと歯みがき粉セットは2,000ウォン、使い捨てヒゲソリは1,000ウォン。1階ロビーにはコインランドリーもあり、洗濯が2,000ウォン、乾燥が1,000ウォンで利用できる(価格などは2024年4月時点)。
東横INN釜山駅1の最大の魅力は、駅チカであることだ。KTX釜山駅南側の1番から外に出れば、30メートルあるかないかのところに位置しているので、たとえば、ソウルから釜山駅に着けば、すぐ荷物を預けたり、チェックインしたりできる。地下鉄1号線釜山駅からも約100メートル。日本の大阪、福岡、下関から船で釜山港国際旅客ターミナルに着き、空中歩行路を歩けば15分ほどでホテルに着ける。
東横INN釜山1以外でも、アスティホテル釜山、アスティレジデンス釜山駅、ラマダアンコール釜山駅、ホテルココなども駅チカなので、選択肢に入れるとよいだろう。
■KTX釜山駅自体も観光スポット、南浦洞やチャガルチ市場までの散歩もおすすめ
KTX釜山駅の1階1番入口から駅舎に入れば、すぐ左手に日本でも人気のあるプレミアムマッコリ「福順都家」のショップがある。ここでボトルを買ってホテルの部屋で楽しむこともできる。同店は2階にもある。
駅2階コンコースには、釜山名物オムク(練り物)や韓国餅の専門店、カフェ、『孤独のグルメ』釜山出張編で注目されたナッコプセ(手長ダコと牛ホルモンとシュリンプの鍋)の人気店「ケミチプ」、今や日本の女子中学生にまでその名が知られている韓国コスメの「オリーブヤング」などがある。
釜山駅前のホテルから南浦洞やチャガルチ市場などの観光エリアまでは地下鉄で2駅の距離だが、この区間は釜山庶民の息吹が感じられる街並みなので、ぜひ歩いてみてほしい。
ホテルを出て目の前の横断歩道を渡って左に進み、大通り(中央大路)を渡る。目の前の中華門をくぐって坂を上り、最初の路地を左に入り、道なりにひたすら南に進めば、南港に面する南浦洞エリアに到達する。
途中には、中華&ロシア街、瀛州(ヨンジュ)市場と呼ばれる屋台風食堂街、日本時代からの長屋通り、印刷屋街、四十階段がある。瀛州市場では、カルククスやピビムククスなどの麺類が5,000~6,000ウォンで食べられる。
さらに、映画『悪いやつら』でチェ・ミンシクとマ・ドンソクが敵対するヤクザに追い出されるシーンが撮影された観光ホテル街、映画『10人の泥棒たち』でチョン・ジヒョンがバスローブ姿で雑居ビルから出てきたシーンが撮影された釜山デパートなどを観ることができる。
釜山デパートを左手に見ながら進むと、南浦洞のロッテモールに着く。そこから右(西方向)に進めばチャガルチ市場だ。