DISH//『朝、月面も笑っている』に込めた思い 朝なのになぜ「月面」!?北村匠海「今笑えていない人もいつか笑える朝が来る」

北村匠海さん、矢部昌暉さん、橘柊生さん、泉大智さんからなる4人組バンドDISH//が、30周年を迎えた『めざましテレビ』のテーマソング『朝、月面も笑っている』を書き下ろしました。朝に流れる曲にも関わらず、北村さんがタイトルに「月」を入れた理由や、メンバーそれぞれのこだわりを井上清華アナウンサーがインタビュー。4カ月にわたり密着した楽曲制作の裏側も交えながらお届けします。

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『朝、月面も笑っている』タイトルの由来は北村匠海が実際に見た三日月

インタビュー冒頭、井上アナは誰もが一番最初に気になるであろう「朝、月面も笑っている」というタイトルに込められた思いを聞きました。

井上:
何よりびっくりするのが、月面だと思うんです。これは北村さんが実際に見た月が入っているんですよね。

北村:そうなんです。『めざましテレビ』がやってる時間帯にあえて歌詞を書いていて、朝ちょうど僕が空を見たら、三日月でちょっと笑っているような月だったんです。それを見て自分も「ふっ」と笑えた瞬間があって、それを歌にしようかなと思ったんです。

タイトルの由来は北村さんが朝に見た“笑っているような三日月”だそう。その「月」を見て感じた北村さんなりの思いが込められていました。

北村:
朝、学校に行くタイミングとか。それこそ『めざましテレビ』を見ている時間って、実は太陽と月がどっちも出ている時間なんです。それでいうと、太陽と僕らはまだ眠いはずで。でも月はまだ寝ている僕らも見守っていたし、夜どんな時間に働いている人も照らしているはずなので、そんな月が実はずっと見守って笑ってくれているという意味を込めました。気持ちが乗らない朝もあれば、笑顔になれない朝もあれば、「今日はなんか笑えるな」っていう朝もあるだろうし。そういう順番がきっとあるんだろうなって僕は信じているし、今笑えていない人もいつか笑える朝が来る、順番が絶対に来るっていうのを書きたかったんです。

そしてこのタイトルを聞いたメンバーは口を揃えて「北村さんらしい」と語りました。

泉:
匠海のオリジナリティというかやっぱ文学派なんでね、匠海は。すごいなと思いました。

橘:匠海ならではの表現だなというのは思いますね。朝の歌で“月”って出てくるの面白いなって思いながら。

矢部:やっぱ匠海らしいなっていうか。匠海にしか思いつかない歌詞というかタイトルだな、というのはすごく思いました。匠海って結構モノとかに命吹き込ませがちなんですよ(笑)月面が笑っているって、「月」なんて僕からしたら「月」なんですよ。だけど、その月が笑って見えてるんですよ、匠海には!朝の月が。そこがやっぱり匠海のすごいところだなって思いますよね。

井上:
すっごい笑ってたんですもんね。

北村:すっっっごい笑ってました!マンキンで(笑)

矢部:
ニッカニカだったんだ(笑)

北村:
ニッカニカだった!

「終わらせないで」歌詞に込めた思い 「終わらせないで」北村匠海が歌詞に込めた思い レコーディング密着で見えた歌い方のこだわり

井上アナが一番好きだというのが「大丈夫だから みんな居るから 終わらせないで」という歌詞。普通であれば、みんないるから“頑張ろう”というところを、“終わらせないで”とした理由は北村さん自身の過去の経験にありました。

北村:
「頑張れ」って言いたい気持ちはあっても、言葉に出すときっていろいろ考えちゃうんです。「いや、頑張ってるしな・・・」って。僕も経験あるんですけど、言われた側からすると「いや頑張ってるのよ・・・」っていうタイミングって結構いっぱいあると思うし、だったら“今の思いを終わらせないこと”っていうのを応援したいなっていうのがあったんです。一人じゃないし、みんなに朝はあるから終わらせないでほしいなっていう。もしも悲しかったり悔しかったり苦しい思いを抱いているのであれば「僕らが居るから」っていうことも付け加えたかったんです。

そんな“寄り添うこと”を大事にする北村さんがレコーディングの際にもっとも歌い方にこだわった部分が後半に出てくる「楽じゃないよな」というフレーズ。力強く歌い背中を押すか、あえて軽く歌って寄り添うかで悩んでいました。

北村:「楽じゃないよな」って軽く言ってあげた方がいいと思うんです。歌ってると力はいっちゃうんですけど、「楽じゃないよな」って笑って言って、押しつけない方がいいなって。

日本では年始から様々なことが起こり、笑えていない人もたくさんいると考えた北村さんは、そういう人たちへ向けて「大丈夫、僕らも同じだから」というメッセージを伝えたかったと言います。

北村:
「一緒に笑おう」とか「笑わせてあげるよ」って言えるほど自分も強くないので、優しさだったりとか、隣にいる感じが伝わるといいなと思っていました。

北村さんの“寄り添うこと”を大切にする姿勢に、井上アナは自身が『めざましテレビ』のメインキャスターになった時の気持ちを思い出しました。

井上:私もメインキャスターになったときに、朝ってしんどい人が多いだろうなと思って、ちょっとでも穏やかになってもらえればいいなと思って放送しているんです。なのでこの曲は本当に私にも寄り添ってもらっています。

突き詰めた“早歩きのテンポ” 誰もが共感できる「朝のテンポ・メロディー」を突き詰め橘柊生&泉大智が“早歩き”!?

今回の作曲を担当したのは、キーボードの橘さんとドラムの泉さん。2人が曲を作るにあたり意識したことは“早歩き”のスピードだそう。一体どういうことなのか詳しく聞いてみました。

泉:毎朝聞く楽曲なので、朝から元気になれるような楽曲というのは意識しました。

北村:テンポとかこだわってたよね?

橘:
早歩きのテンポ測ってたね。通勤や通学の時に「電車間に合わない」「あの信号渡りたいな」「学校遅刻しちゃう」とか、朝って早歩きする場面が多いなと思ったんです。だから自分で家の中を歩き回ってBPMを計ってました(笑)

意外なエピソードにメンバーの矢部さんも「そんなことしてたんだ!」と驚いた様子!さらにBPMを巡って橘さんと泉さんの間で一悶着あったそうで…

橘:
自分の早歩きのBPMを測ったんですけど、僕と泉は身長も違うし、歩くスピードも違うので、お互いに違うBPMになってしまって、一回そこで殴り合いのけんかをしました(笑)。

泉:スキップも測ったね。

北村:
どんだけ時間かけてるの(笑)

橘:
こだわりたかったんだよね。

微調整を繰り返し、こだわり抜いた結果、誰もが共感できる“早歩きのテンポ”の楽曲が出来上がったそう。

4カ月前に語っていた楽曲像はまさかの“ヘビメタ”?

歌詞やテンポなどメンバーのこだわりが詰まった「朝、月面も笑っている」。しかし、4カ月前にテーマソング制作が決定した際のインタビューで、どんな楽曲にしたいかを聞かれた時は…

北村:
ヘビーメタル。

橘:
どこかに鳥のさえずり入れたいね。

矢部:
目覚ましのチャイム音とか。リンリンリンリンみたいな。

そして、完成した楽曲にそれらの要素があるかという質問に対しては「全部入ってるよね」「当たり前のようにね」とのユーモアのある回答に、インタビュー会場は笑いに包まれました。

『朝、月面も笑っている』4文字にすると…? 『朝、月面も笑っている』“4文字の愛称”を決める

これから1年間流れるテーマソングなので、井上アナの提案で『朝、月面も笑っている』の愛称をDISH//のみなさんに考えてもらうことに!

北村:
こういうのってSNSとかで勝手に広まっていくじゃないですか。これ最初に決めた人すごいですね。悩みますね。

自分たちで考えることの難しさを実感する北村さん。

橘:
ライブの構成を作るときにこの曲を呼ぶのは「月面」だと思う。

北村:
パワーありすぎるよね(笑)

泉:
もうちょっとポップな方が良いよね。

橘:
ゲツワラ?

矢部:
ツキワラ?

北村:
ツキワラかな。

そしてメンバー全員で様々な案を出した結果、愛称は「ツキワラ」に決定しました!

井上:
私たち「ツキワラ」っていっぱい呼ばせていただきますね!今年。「今日もツキワラかかってるね」とか。

DISH//から視聴者へ「自分だけ辛いとか自分だけこうだとか思わずに、みんなも一緒だっていう気持ちになってくれたらすごくうれしいです」

最後にDISH//の皆さんから視聴者へのメッセージをお願いしようとした時、意外な事実が判明しました。

井上:
実はみなさんが初めてめざましライブに出て下さったのは、私の入社より前ですからね。

矢部:
じゃあ僕らが先輩ってことですね!

北村:
ちょっと敬語やめようかな(笑)

実はDISH//のほうが井上アナよりも、めざましテレビ歴が長いという事実が判明!ということで、最後に先輩DISH//から視聴者へ向けたメッセージをお願いします。

北村:
本当に今を生きる、毎日毎日、学校だったり仕事だったり、いろんなものに目的に場所に、一日やらなきゃいけないことに向かっていく人たちへ書いた曲です。励ましでもあり応援でもあり、一緒に歩いている感覚になったらすごく嬉しいです。もちろんネガティブな感情だけではない毎日だと思いますし、友達がいたり同僚がいたり、そういういろんな毎日、一日一日を過ごしていると思いますが、自分だけ辛いとか自分だけこうだとか思わずに、みんなも一緒だっていう気持ちになってくれたらすごくうれしいです。どうかこれを聞いてくれるあなたの朝がいい朝に、笑顔になれる朝になればいいなと思います。

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