金沢城公園の石垣28か所が被害 復旧で専門家が現地確認

能登半島地震では、震源から100キロ以上離れた金沢市の観光名所、金沢城公園と兼六園でも石垣が崩れ落ちる被害が出ました。

金沢城の本丸南の石垣が大きく崩落し、一部では巨大な岩が落下しましたが、観光客らにけがはありませんでした。石垣の被災は金沢城公園で28か所、兼六園で2か所の合わせて30か所確認されています。

伝統文化を守りながら、いかに今後、復旧工事を行うのか、16日専門家らが現地を確認しました。会議には、金沢城調査研究所の名誉所長ら5人が参加し、石垣の被災状況について話し合ったあと、現地調査を行いました。

「基本的にこの土橋は、内山を削り出してということではない。すべてが盛り土で形成されている。全部盛り土だと、相当地盤的には土だと揺れる。」

調査にあたった東北芸術工科大学の北野博司さんは、歴史的な価値を保ちながら、いかに補強できるかが課題になると話します。

東北芸術工科大学・文化財保存修復研究センター長 北野博司さん
「恐らく明治時代以降に修理された石垣であろう。長い間金沢城をずっと守り伝えてきた人たちの歴史のひとつだから、補強と歴史的な価値を両立させながら、これから修理する方法を検討していくことになる」

石川県は、専門家の意見を聞きながら、文化庁と協議し、なるべく早く復旧への道筋をつけたいとしています。

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