U-23日本代表、パリ五輪最終予選へ!

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ターゲットはメダルである。『東京オリンピック2020』『ロンドン五輪2012』の3位決定戦で涙を飲んだ日本代表は、今夏パリで56年ぶりとなるメダル獲得を目指す。U-23日本代表にとって『AFC U23アジアカップ カタール2024』はあくまで通過点だが、同時に最後にして最大の関門でもある。指揮官はそんなことは百も承知である。大岩剛監督は「我々の目標は当然パリに出場して勝ち抜くことにあるが、まずは最終予選にしっかり勝ち抜くことにフォーカスしているので、しっかり足元を見て、最終予選に向かっていきたい」と一戦必勝を誓った。

本命に挙げられながら、A代表が準々決勝で敗退を余儀なくされた『AFC アジアカップ カタール 2023』の記憶も新しいことだろう。2か月前の『アジア杯』決勝に勝ち残ったのはカタールとヨルダンだった。日本だけではなく、韓国やイラン、サウジアラビアにオーストラリアも決勝トーナメントで姿を消したのだった。アジアの戦いはより拮抗し、番狂わせも散見している。しかも30℃を優に超えてくる中、グループステージは中2日のハードな日程を強いられる。上位3チームが『パリ五輪』の切符を手にする『U23アジア杯』は何が起きてもおかしくはない。

藤田譲瑠チマ (c)スエイシナオヨシ

厳しく過酷な戦いがカタールで待っているが、日本はベストメンバーを組めなかった。『U23アジア杯』ではクラブの招集義務が発生しないため、これまで主軸を担ってきたMF鈴木唯人(ブレンビヤネス・イドラーツファーイーニング/デンマーク)やMF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム/オランダ)、MF三戸舜介(スパルタ)、小田裕太郎(ハート・オブ・ミドロシアンFC/スコットランド)らを選出できなかった。それでも、大岩監督は「人数制限だったり、悩みだったりはこういう大会でメンバー選考するのに起こり得ること」と意に返さず。

4月8日からドーハでトレーニングを積むU-23日本代表はここまで順調な調整を見せている。4月11日、U-23イラク代表とのトレーニングマッチも1-0の勝利。試合は完全非公開のため、大岩監督は多くは語らなかったが、「いい状況が色々出たので、第1戦に向けて順調な調整になった。我々の狙いを出せていた部分と攻守で出せていない部分があった。トランジションの部分はみんな意識していたので、そこは良かったと思う」と手応えを口にした。また日々のトレーニングでも天候が変わり、「いろんな条件で練習できているので、暑い日、雨の日、風の強い日と色んな条件で練習できているので、準備はできている」とシミュレーションはバッチリである。

大岩剛U-23日本代表監督

日本は韓国、UAE、中国とグループBを戦う。グループ最大のライバルは10大会連続の五輪出場という世界最多記録を狙う韓国だろう。日本のファンにも馴染み深いファン・ソンホン監督率いる韓国は3月にメンバー発表しながら、FWペ・ジュノ(ストーク・シティ/イングランド)やMFヤン・ヒョンジュン(セルティック/スコットランド)、DFキム・ジス(ブレントフォードFC/イングランド)の選手派遣を拒否され、結局欧州組はMFキム・ミンウ(デュッセルドルフ/ドイツ)ひとりというドタバタぶりを見せている。

選手たちが最も大切なゲームと口を揃えるのが、4月16日(火)・初戦の中国戦である。山田楓喜(東京ヴェルディ)が「初戦の中国戦からフルスロットルで、最初から自分たちの気持ちを出して全力で戦いたい」と言えば、平河悠(FC町田ゼルビア)も「(グループステージ)3試合の中でも一番大事と言ってもいいぐらいの中国戦。内容もそうだが、まずは勝点3を積むことによって次の試合につながる」とキッパリ。4月15日、前日会見の壇上で大岩監督は「非常にいい準備ができている。しっかりと明日の初戦に向けてチーム一丸となっていい準備をしたい。メンタル、個人戦術、チーム戦術、すべてを発揮して第1戦に向かっていきたい」とキックオフを待ちわびた。

山田楓喜 (c)スエイシナオヨシ

U-23日本代表のメンバーは次の通り。
【GK】1小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル)
23山田大樹(鹿島アントラーズ)
12野澤大志ブランドン(FC東京)
【DF】16内野貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
21大畑歩夢(浦和レッズ)
3西尾隆矢(セレッソ大阪)
5木村誠二(サガン鳥栖)
2半田陸(ガンバ大阪)
4関根大輝(柏レイソル)
15鈴木海音(ジュビロ磐田)
22高井幸大(川崎フロンターレ)
【MF】20平河悠(FC町田ゼルビア)
11山田楓喜(東京ヴェルディ)
10佐藤恵允(ヴェルダー・ブレーメン/ドイツ)
6川﨑颯太(京都サンガF.C.)
7山本理仁(シントトロイデンVV/ベルギー)
8藤田譲瑠チマ(シントトロイデンVV/ベルギー)
14田中聡(湘南ベルマーレ)
17松木玖生(FC東京)
【FW】9藤尾翔太(FC町田ゼルビア)
19細谷真大(柏レイソル)
13荒木遼太郎(FC東京)
18内野航太郎(筑波大)

『U23アジア杯』のグループステージ組み合わせは以下の通り。
【グループA】カタール、オーストラリア、ヨルダン、インドネシア
【グループB】日本、韓国、UAE、中国
【グループC】サウジアラビア、イラク、タイ、タジキスタン
【グループD】ウズベキスタン、ベトナム、クウェート、マレーシア

果たして、日本は『パリ五輪』へ向けて、白星発進できるのか。『U23アジア杯』初戦・中国戦は4月16日(火)・キックオフ。試合の模様はテレビ朝日系列、DAZNにて生中継。

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