桑原拓 日本100人目世界王者へ他力本願!? 先に世界挑戦の西田凌祐に「ぜひ勝って」

日本選手100人目の世界王者へ意気込む桑原拓

歴史に残る節目の世界王者へ、他力本願だ。WBA世界フライ級タイトルマッチ(5月6日、東京ドーム)で王者のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)に挑戦する同級3位の桑原拓(29=大橋)が16日、横浜市内の所属ジムで練習を公開。あと2人となっている日本選手史上100人目の世界王者となる可能性があり、この試合の2日前にIBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に挑戦する西田凌祐(六島)の王座奪取を熱望した。

世界初挑戦が、ボクシング興行では34年ぶりという東京ドーム。しかも、2021年7月にKO負けを喫した阿久井とのリベンジ戦とテーマが盛りだくさんの桑原。そこに日本選手100人目の世界王者という大きなテーマも加わるかもしれない。

二度と来ないであろう歴史に名を残すチャンスだか、桑原が勝つだけではどうしようもない。先に西田が99人目の王者になることが前提条件だからだ。これを聞いた桑原は「ぜひ勝ってもらいたい。全力で西田選手を応援してます。このタイミングで決まっているということは、狙いたい気持ちが強い」と西田の勝利を熱望。それがかなわなければ、自身の試合後に同門の武居由樹がWBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニー(オーストラリア)に挑戦するため、「もし西田選手が負けてしまっても、自分が取って次、武居に100人目となればうれしい」とチャンスを託すつもりだ。

いずれにせよ、桑原がやるべきことは勝つこと。前回の阿久井戦は接戦を展開しながら10回に阿久井の強打にKOされた。現在の体調は「今までで一番」と言い、スパーリングも数多くこなし、「スタミナ、メンタル、スピードもパワーも前回よりアップしている」と成長を実感している。「リベンジマッチが東京ドームでの世界タイトルマッチということで、これまでにないくらい気合が入っている。一度負けた相手に勝つ難しさがありますが、すべて乗り越えて、夢である世界チャンピオンになります」と力強く宣言した。

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