【大相撲】大の里「祖父がまだ避難所で生活している」 能登半島地震復興支援・勧進大相撲で胸中告白

ファンサービスに応じる大の里(左)

「能登半島地震復興支援・勧進大相撲」が16日、東京・両国国技館で開催され、石川・津幡町出身の幕内大の里(23=二所ノ関)が今も避難生活が続く故郷への思いを明かした。

大の里は「今回から初めて巡業に参加させてもらった。当初は七尾巡業が予定されていて、地元に巡業で行けるのがすごく楽しみだった。地震の影響でなくなってしまって、今日こういう場を協会が設けてくれたのは、すごくうれしいです」と感謝を述べた。

3月の大阪場所では11勝を挙げて、2場所連続の敢闘賞を受賞した。「2月に石川県(出身)のお相撲さんみんなで、能登に行かせてもらった。僕は能登出身じゃないけど、実際に能登の光景を自分の目とテレビで見るのは全然違ったし、衝撃を受けた。僕らが避難されている方にパワーを与えに行くはずだったけど、みなさんすごく元気だった。逆にパワーをもらって、3月場所でいい結果を残せた」。

あと1か月を切った夏場所(5月12日初日、国技館)に向けては「祖父がまだ避難所で生活している。本場所で勝つことが、一番元気を届けられる。夏場所も頑張りたいと思います」と家族のためにも奮闘を誓った。

石川・穴水町出身の幕内遠藤(33=追手風)も「春巡業中も、いろんな方に声をかけていただいている。今日も朝から来てくれたお客さんに声をかけていただいて、本当に良かったです」とファンに感謝。富山出身で元大関の幕内朝乃山(30=高砂)は「(観客の)出迎えで『富山県から来ました』という声をたくさんいただいた。うれしかったし、もっと自分も頑張らなくちゃいけないという気持ちになった」と笑顔を浮かべた。

同興行で集まった募金と入場料全額は、被災地支援の義援金として寄付される。

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