“アニソン界のプリンス”影山ヒロノブさん これまでの生き方や高知への思いを語る【高知】

「こうちeye」では全国で活躍するアーティストや作家、映画監督などにスポットを当て、その生き方や高知への思いを紹介していきます。今回、注目するのは「アニソン界のプリンス」こと「影山ヒロノブ」さん。4月7日に高知市で影山さんのギターライブが開かれ、ハスキーで熱い歌声が会場に響きました。

7日、高知市追手筋のパブラウンジ タウンでソロギターライブを開いた影山ヒロノブさん(63歳)。

特撮ヒーローやアニメの主題歌をハスキーボイスで力強く歌い上げる、アニソン界のプリンスです。

アニメソングを中心に、これまでレコーディングした曲は1000曲を超えていて、大ヒットしたのがアニメ『ドラゴンボールZ』の主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」。130万枚のセールスを記録しました。

そんなアニソン界のレジェンド。近年はライフワークとして月2本をノルマに全国津々浦々でその音楽を届けています。

ライブが終わった後、高知の印象を伺いました。

影山ヒロノブさん

「友達もいるし、食べ物美味しいし、自分ものんべえなんで、高知来るときはいつもめちゃめちゃ楽しみ。去年の秋にサイクリング趣味なんですけど松山から高知まで自転車できました、3日かけて。高知は山があり、きれいな景色があって、美味しいもんがあって、もうサイクリストはたまんないと思う」

そんな影山さんは1977年、16歳の時に5人組のバンド「LAZY」のボーカル「ミッシェル」としてアイドルデビューしたことが今の世界に入るきっかけでした。

影山さん

「テレビとかめちゃめちゃ出てましたね。コンサートも日本中どこ行っても若い女性、女の子たちがすごい来てくれた」

しかし、メンバー内で音楽の方向性がずれ始め、4年後に解散。20歳でソロシンガーとしての活動が始まりました。

影山さん

「無謀だったんじゃないかと思う。ソロシンガーになったが、そのころまだ曲もかけないし、詞もほとんど書いたことがない。音楽も今自分がやりたいスタイルはこれだっていうのがまだ見つけきれないままソロになったんで、そのあとすぐに駄目になりましたね」

客は離れていき、契約していたレコード会社からも新譜は出せないと言われ、収入がなくなった影山さん。生活は一変し、日雇い労働のアルバイトをしながら全国の小さなライブハウスでの演奏活動を年間120カ所巡る生活が10年以上続きました。

影山さん

「これは腹をくくらないとしょうがないと思うと、結構なんでもできちゃう方で、溶接の免許とかも取ってワイヤーで重いものを吊るす免許・玉掛け免許も取って、建設現場の中でもいろんな業者が入る中、職人の会の副会長を任されたりした。家庭もあったし、ある程度の収入も必要だし、それがないと自分の好きな音楽も自由にできなくなる。割り切って音楽の仕事がない時は頑張って現場行ってました」

そして転機が訪れます。特撮ヒーローものの主題歌のオファーがやってきました。

影山さん

「その当時の事務所の社長もびっくりして、おい影山どうする、ゴレンジャーとかの主題歌だぞ、子ども向けだけどどうすると言われたんですけど、ぶっちゃけめちゃめちゃ嬉しかった。しばらくそういう業界からのオファーとか全然なかったんで、久しぶりにそういう業界の人が影山ヒロノブという存在に目を向けてくれたんだから、今更捨てるものはないし、思いっきりやらしてもらいましょうよといって受けました」

電撃戦隊チェンジマンの主題歌を担当したことで、アニメソングの依頼が次々とやってきます。影山さん自身もビートを前面に出すパワーボーカルがアニソンシンガーとして向いていると思い始めたころ、アニメ「聖闘士星矢」の主題歌を担当することに。

影山さん

「その当時、東京渋谷のeggmanで毎月ライブをやっていた。聖闘士星矢が始まるやいなや、もうお客さんが倍々ゲームのように増えていって、その翌年についにCHA-LA HAED-CHA-LAを歌ったんですよ。そしたらもうeggmanでできなくなりましたね」

それ以降は1000人規模の会場でアニソンのコンサートを開いてきた影山さん。挫折を乗り越えたアニソン界のレジェンドから県民へのメッセージです。

影山さん

「人生ってね、どこに住んでる人にとっても1回しかないので、自分の一番やりたいことをどこにいようがやってほしいと思います。僕にとってはそれが音楽。例えば音楽だったら僕のような小さなライブから始めるもよし、今インターネットを使って自分のやりたいスタイルとか、どこからでも発信できる時代だったりする。いい意味でチャレンジ精神はたくさん持って、小さなことでも自分にしかできないことで自分の夢をかなえて欲しいし、それに向かって毎日、毎日そのことを考えてバンバンやりたいことをやって欲しいなと思います。絶対無理じゃないと思う。高知最高!」

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