日産、EV生産にギガキャスト27年度導入 銅不要モーターも開発

Maki Shiraki

[横浜 16日 ロイター] - 日産自動車は16日、巨大な車体部品をアルミ鋳造で一体成型する「ギガキャスト」技術を2027年度から一部の電気自動車(EV)生産で導入することを明らかにした。高価な銅を使わずアルミを活用した次世代モーターを開発したことも公表した。

同社はこの日、横浜工場で次世代EV向けの生産技術や基幹部品、建設中の全固体電池のパイロット生産ラインを初公開した。

ギガキャストは複数の部品を一体にして鋳物化するためコストを削減でき、米EV専業のテスラ、トヨタ自動車が採用している。日産は車体リア部分の製造を中心にまず導入する予定。部品の点数を減らすことでコストを従来比で10%カットし、部品の重量も銅板からアルミ鋳物に置き換えることなどで20%軽量化する。

銅の価格は2000年以降に5倍以上高騰しており、アルミの3.3倍に及ぶ。価格が安値圏で安定しているアルミを使った次世代モーターは従来よりも製造コストを7割ほど低減できる。アルミの重さは銅よりも7割ほど軽いため、EVの課題である航続距離も長くできる。

全固体電池のパイロット生産ラインは敷地が1万平方メートルで、25年3月から本格稼働させる計画。年間生産能力は最大100メガワット弱、従業員は最大200人規模を想定する。26年度に試作車を公道でテストし、28年度に全固体電池を搭載したEV投入を目指している。

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