四万十川で優雅に舞う!50年目の『こいのぼりの川渡し』に密着【高知】

高知県四万十町十川地区の四万十川をまたぐ「こいのぼりの川渡し」が4月14日にお目見えしました。ことしで50年の節目を迎えた川渡し。3日間にわたる設置作業に密着しました。

14日、高知県四万十町十川地区の四万十川をまたぐ「こいのぼりの川渡し」がことしもお目見えしました。2列に連なる約500匹のこいのぼり。子どもたちの健やかな成長を願って1974年に地元の「十川体育会」が始めました。全国各地に広がったこいのぼりの川渡しの先駆けといわれていて、ことしで節目の50年を迎えました。

設置作業がスタートしたのは先週12日。早朝、十川地区のこいのぼり公園に「十川体育会」のメンバーなど6人が集まりました。

登場したのは「ドローン」。この日、おこなったのはドローンを使って対岸まで「ひも」を渡す作業。この「ひも」を渡すことが第1段階。2日間かけて「ひも」をより丈夫な「ロープ」に変え、最終的にこいのぼりをつるす金属製の「ワイヤー」に変えるまで3段階の手順をふみます。この日は、霧がかかり作業が一時中断したものの無事に「ひも」を渡すことに成功しました。50年前の最初の頃は、船で「ひも」を渡していきました。その後、ラジコン飛行機で「ひも」を渡すようになり、10年ほど前からはドローンを使うようになったそうです。

翌日13日、会のメンバーや地域の住民など約30人が集まり、次の作業が進められました。電線をよけながら前日設置した「ひも」を「ロープ」へと変えていったあと、「ロープ」からさらに頑丈な「ワイヤー」へと変えていきます。節目のことしは、ワイヤーなど主要な設備を更新したそうです。

1974年の1回目、20代前半の頃から川渡しに携わる「十川体育会」の前の会長・松元昭夫さんです。こいのぼりの設置は松元さんの人生そのもの。地域に定着したこの川渡しを未来に繋いでほしいと話します。

松元さん「自分も22ぐらいから携わっている。最低でも25年ぐらいは今の連中で行けるだろうが、そのあとの若い人が出てきてくれたら100年、まあできたら100年は続きたいね」

14日 いよいよ、こいのぼりが空に舞う日です。晴天に恵まれ、心地いい風が吹く絶好の天気になりました。

この日は地元の十川スポーツ少年団の子どもたちも手伝いに訪れ、地元の人たちもあわせ約50人が参加。まず、段ボールに入ったこいのぼりを一つ一つ取り出し色と大きさごとに並べていきました。

そして準備ができると、いざ大空へ。

会のメンバーが2日かけて設置したワイヤーに1匹ずつ取り付けていくと、こいのぼりは風に乗り、雄大な四万十川の上を舞い始めました。

50年の節目に合わせ、今回は特別なこいのぼりもお目見えしました。1997年にアメリカとカナダの境にあるナイアガラの滝の下流・ナイアガラ川に渡したもので、その一部の約30匹が里帰りしました。

こいのぼりは、各家庭で使わなくなったものを集めたもので、50年前は50匹程から始まったこいのぼりの川渡しも、今は500匹を超えました。

子どもたち「すごくきれいだなと思いました」「昔から続いている行事なので、これからも続けていきたい」

松元さん「天気も良かったし、いいぐらいの風が吹いているので最高ですね。もう子どもたちが遊んでくれているのでうれしい。若いもんが頑張ってやってくれているので、その分自分も頑張って手伝っていいかんと思う」

四万十町の「こいのぼりの川渡し」は今では十川地区だけでなく高知を代表するイベントに成長。ことしは全国の特色ある地域活性化イベントを表彰する「第28回ふるさとイベント大賞」の優秀賞にも輝きました。四万十町十川のこいのぼりの川渡しは5月11日まで楽しむことができます。また会場のこいのぼり公園では5月3日にゴールデンウィークの恒例イベント「よってこい四万十」が開かれ、賑わいを見せそうです。

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