与野党、初日から大物続々島根入り 衆院3補選で唯一の直接対決、島根1区

有権者と握手を交わす辻元清美代表代行(右)、小渕優子選挙対策委員長=いずれも松江市殿町

 衆院島根1区補選は、16日の初日から自民、立憲民主両党の幹部が候補者の応援に駆けつけた。21日には岸田文雄首相と泉健太代表の党首対決が予定されるなど、大物政治家が続々と島根入りする予定で「空中戦」が激しさを増す。

 「ふるさとを思う政治家の火を、島根1区から消さないでほしい」。自民党新人の錦織功政候補の第一声では小渕優子選挙対策委員長が応援マイクを握った。

 唯一の与野党対決となる島根1区補選での勝利に向けて3月以降、複数回島根入り。松江市殿町であった第一声では竹下登元首相や細田博之前衆院議長の功績に触れながら「島根の10年後、20年後を担うのは錦織功政候補のほかにいない」と声を張り上げた。

 逆風の戦いの中、支持固めに向けて党本部は国会議員の派遣に注力。地元選対の要請も踏まえ、19日は石破茂元幹事長、20日は小泉進次郎元環境相が街頭に立つ。1区選挙対策本部の嘉本祐一事務本部長は「地域支部を中心に動員などの調整を行う」と述べた。

 対する立憲民主党もこれまで岡田克也幹事長や泉健太代表らが島根入り。20日は野田佳彦元首相、24日は枝野幸男前代表が来県し、浮動票獲得へ攻勢を強める。

 松江市朝日町であった元職の亀井亜紀子候補の第一声には辻元清美代表代行を投入。島根1区は強固な保守地盤がありつつも発展が遅れているとして「『中央とのパイプ』が詰まっていないか」と指摘した。遊説には福山哲郎元幹事長が同行し、「最後まで力をいただきたい」と訴えた。

 17日は党本部の打診で泉健太代表の来県が急きょ決定。地元は遊説ルートなどの調整に追われ、総合選挙対策委員会の川井弘光事務局長は「これまでになく賑やかな選挙になる。みなさんの力を借りながら戦い抜く」と力を込めた。

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