特急「やくも」の新型車両デビューをきっかけに、山陰地方では鉄道写真愛好家「撮り鉄」の線路侵入などが問題となっています。
鳥取県は対策に乗り出すことを決め、マナーアップを呼び掛けるチラシを現地で直接、鉄道ファンらに配りました。チラシを受け取った鉄道ファンは、一部の悪質な撮り鉄に対し、「バンバン取り締まってもらってどんどん捕まえてほしい」と憤っています。
鳥取県西部を走るJR伯備線沿線、3つの町には人気の撮影スポットが合わせて20か所ほどあり、特急やくもの新型車両移行に合わせて、全国的にも注目が集まり、連日多くの人が訪れています。
しかし、試運転中の車両に抱きつく人が現れたり…新型やくもがデビューした4月6日には、線路内に人が立ち入ったと通報があり、列車に遅れが生じたりするなど、マナー違反も相次いでいます。
土江諒 記者
「人が立ち入ったとされるのは、鳥取県江府町内を走るこちらの線路です。遮るものがなく、写真撮影はしやすそうなんですが、このように立ち入り禁止と書かれたテープが張ってあります」
そこで、県が打ち出したのが「鳥鐵みんなでマナーアップ運動」です。
鳥取県 平井伸治 知事
「我々もおもてなしのグレードを上げ、お見えになる方もマナーを守ってもらえないかと。やみくもでなく、やくもを楽しんでいただきたい。
鳥取県や沿線自治体などでつくる「鉄の道マナーアップ協議会」は、鉄道ファンと地域がトラブルにならない環境を県全体で整えていこうと取り組みを始めました。
伯備線沿線4市町では撮り鉄が使える計200台分の駐車場を開放。
13日には、日野町の駐車場付近に集まった人たちへ、マナーアップを呼び掛けるチラシを配布しました。
受け取った鉄道ファンたち。一部の悪質なファンに、憤っていると話します。
鉄道ファンは
「迷惑極まりないですよね。撮り鉄って悪いイメージしかないじゃないですか。僕らだってそう思いますもん。できればバンバン取り締まってもらってどんどん捕まえてほしいです」
鉄道ファンは
「趣味は鉄道写真ですって人前じゃ言えないような状況になってきてる気もするので、本当そういう人たちにはやめていただきたい。
なんでそこまでするのか、逆にそこまでしなきゃいけないんだったら、そんなことしなくても良い所まで行って撮影すれば良いじゃないって思うんですけど…なんででしょうかね?」
チラシに書かれた「鉄則」は立ち入り禁止の場所や私有地に入らないこと、ごみは持ち帰ることなど5点。
協議会では撮り鉄に対し、観光や食など、列車だけでなく地域の魅力も満喫してほしいと呼びかけています。
鳥取県交通政策課 野坂明正 課長
「鉄道を安全に楽しく撮影していただく「鉄則」を決めました。皆さんでマナーを守って頂いて楽しく撮影していただこうと思っています。列車ももちろんですが観光や食など、地域の魅力も満喫していただきたいと思います」