ズワイガニ偽装でブランドタグ融通か 漁船関係者の56歳女性を書類送検

まるなか水産の倉庫内に保管されていた新品のタグ(2021年7月26日、京丹後市丹後町)=関係者提供=※画像の一部を加工しています

 兵庫県産のズワイガニを京丹後市の高級ブランドガニ「間人(たいざ)ガニ」と偽って販売したとされる事件で、京都府警生活保安課と京丹後署は16日、不正競争防止法違反ほう助の疑いで、同市のカニ漁船関係者の女性(56)を、同法違反と商標法違反の疑いで、同市丹後町間人の水産物販売会社「まるなか水産」をそれぞれ書類送検した。

 女性の書類送検容疑は、昨年1月31日、同社役員の容疑者(42)=不正競争防止法違反などの容疑で逮捕=が他県産のカニを地元産の間人ガニと偽って販売することを知りながら、同社の作業場近くで「たいざガニ」と記された産地表示タグを容疑者に譲渡した疑い。

 府警によると、女性は地元の間人漁港に全5隻あるカニ漁船の関係者で、船主らが管理するタグを入手できる立場だったという。女性は約15年前から容疑者の要求に応じ、不正にタグを譲渡するようになったと説明しており、「漁期前に100~200本のタグを渡していた。見返りとして他の業者よりもカニを高く買ってもらえていた」と供述したという。

 また府警は、まるなか水産が昨年2月1、25日、兵庫県産のズワイガニ計2匹に間人ガニの産地表示タグを付け、計5万4500円で顧客に販売するなどした容疑で書類送検した。

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