「譲渡を促進するため見せる施設に」犬猫の殺処分ゼロに向けて 動物愛護施設を新設へ=静岡県

静岡県は、浜松市の動物愛護施設を富士市に移転する計画を進めていて、4月16日からクラウドファンディングを始めました。殺処分を行わず、犬と猫の譲渡に重点を置いた施設です。

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<静岡県動物管理指導センター 塩﨑康永所長>
「こちらが動物、犬猫の安楽死措置を行う部屋になります」

浜松市中央区にある「静岡県動物管理指導センター」です。静岡県は2025年度、老朽化が進むこの施設を富士市に移転する予定ですが、背景にあるのは犬や猫を殺処分せず、保護しようという気運の高まりです。

<山口駿平記者>
「こちらはガスや焼却により動物たちの殺処分を行っていた施設です。殺処分の頭数が減ったのに伴い、現在は稼働停止しています」

2008年度から2022年度の静岡県内の殺処分の頭数です。犬や猫の引き取りの有料化や、施設側が引き取りを拒否することができるようになったことで、その数は大きく減っています。この施設でも2023年、殺処分を行ったのは猫1匹です。

<静岡県動物管理指導センター 塩﨑康永所長>
Q.殺処分の施設の必要性がなくなっている?
「そうですね。大量に殺処分するという施設は今は必要ないかと思います」

2025年度、富士市に開設予定の新しい動物保護施設には殺処分を行う設備はありません。保護した犬と猫の譲渡に重点を置いていて、訪れた人が自由に遊ぶ猫の姿を見学できるエリアなどを新設します。

<静岡県衛生課 阿部冬樹課長>
「元々(の施設は)犬や猫の処分の施設で、どちらかというと人には(動物を)お見せしないという形をしていましたから。(新しい施設は)譲渡を促進するため色んな方に来ていただいて見ていただく、そういう『見せる施設』を進めるための部屋ということで考えています」

静岡県は、4月16日から施設の整備のためのクラウドファンディングを始め、殺処分ゼロの実現に向けて協力を呼びかけています。

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