乙武洋匡氏 立憲・酒井菜摘氏のネット討論会欠席に「逃げたと思われても仕方がない」

乙武洋匡氏(左)と酒井菜摘氏

衆院東京15区補選(28日投開票)が16日告示され、公益社団法人東京青年会議所とユーチューブチャンネル「ReHacQ―リハック―」の共催によるネット討論会が行われた。

立候補した9人中、立憲民主党の酒井菜摘氏だけが調整がつかないことを理由に欠席し、無所属で元衆院議員の秋元司氏、日本保守党の飯山陽氏、無所属でファーストの会と国民民主党推薦の乙武洋匡氏、日本維新の会の金沢結衣氏、無所属で前参院議員の須藤元気氏、つばさの党の根本良輔氏、NHK党の福永活也氏、参政党の吉川里奈氏が出席した。

街頭演説などで乙武氏の女性スキャンダル追及や他陣営への凸を表明していた根本氏の参加が直前に決まったことで、ネット上では「討論会にならない」「大荒れ必至」との声が上がっていたが、フタを開けてみれば、政治とカネの問題や教育問題などで、真摯かつ建設的な議論が交わされた。

盛り上がったのは飯山氏が「議員になるとお得だという問題がある。おカネを稼げる、利権がある」と議員歳費の減額を訴えたことに秋元氏は「全然おいしくない。所得も少ないし、民間に行った方が稼げる」と反論。須藤氏も「正直、(民間だった時のほうが)稼げた」と話せば、乙武氏は「(歳費)2000万が丸々入るなら多すぎだが、全部自分で使えるわけではなく、秘書などで実入りは少ない」と意見は分かれた。

これに福永氏は「デンマークだと地方議員は報酬ゼロで、遅い時間に議会を開いたりしている。今はリモートでもできる。(無報酬の)特別国会議員みたいな違う形態だったりの議論が出れば」と別角度からの意見を提案した。

安楽死の合法化まで議論は及んだが、最後に乙武氏は「あまり欠席裁判は良くないが、実りある議論にするのに酒井さんがいないのは残念。共産党さんが支援して、〝立憲共産党〟とやゆされている中で、憲法や外交、安全保障の話をどうするのかは多くの有権者が知りたかった。調整つかなかったというが、逃げたと思われても仕方がない」と批判した。

主催者側は酒井氏の主張があれば、別収録のショート動画を用意するとしたが、乙武氏は「それはフェアじゃない」とあくまで公開の場で、議論できなかったことを残念がった。

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