【今日の読み切り】「ふたりの告白」認知症の母の介護をする千春。ある日、自分の病も明らかになり……

by 緑里孝行(クラフル)

【ふたりの告白】

著者:西瓜士

講談社

31才の千春は、認知症の母を介護するため、東京から地元に帰ってくる。ドーナツ屋で働きながら、映画監督志望である同性の恋人、久良木との未来がはっきり見えないような生活を送っている。そんなある日、理不尽な病が千春を襲う――。

本作「ふたりの告白」は、「コミックDAYS」で配信された西瓜士氏による短編作品。「2022年前期・第81回ちばてつや賞」一般部門で入選を果たしている。

誰でも年を重ねていくと、親の介護や子供のことなど、様々な問題にぶつかる。本作では、近い将来、自分にも起きるかもしれない出来事が描かれる。認知症の母、同性愛関係にある恋人といった、少し複雑な設定で、1度読むだけでは内容を把握しにくいかもしれないが、大切な人のことを思い出し、何度でも読み返したくなるような魅力のある作品となっている。

【あらすじ】

認知症になった母親の介護をするため、東京から地元へ戻った千春。停滞感にまみれた生活のなかで、同性の恋人・久良木の存在と、都合よく想像する2人の未来だけが千春にとっては救いだ。そんなある日、理不尽な病が千春を襲う。

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