広島・坂倉 爆勝呼んだ今季マツダ初アーチ 11点猛爆で最下位脱出じゃ!    

 お立ち台でポーズをとる(左から)坂倉、床田、秋山(撮影・市尻達拡)

 「広島11-2DeNA」(16日、マツダスタジアム)

 鯉打線が今季最多11得点の大爆発じゃ。広島・坂倉将吾捕手(25)が2号ソロを含む今季初猛打賞と大暴れすれば、今季初めて1番に座った秋山翔吾外野手(36)も押し出し四球を含む2安打1打点4出塁と、自らのバースデーを快勝で祝い、チームの連敗を3で止めた。

 つなぎの一打あり、適時打あり、本塁打あり-。今季、ここまで見たことのない打線の姿がそこにはあった。試合前時点で1試合平均2.2得点の攻撃陣が、今季最多となる11得点。新井監督も「ナイスゲーム。今日はなんとか援護してやるんだっていう野手の気持ちがつながった大量得点だったんじゃないかな」と笑顔を見せた。

 三回までに8得点。序盤からの猛攻の中心には坂倉がいた。初回は相手先発・ジャクソンの制球難に乗じて、押し出し四球で1点を先制すると、無死満塁から右前への適時打。三回2死では低めの直球をたたいて右中間への2号ソロをかけ、「今シーズン初めて芯に当たった」と笑顔を見せた。四回の右前打で今季初の猛打賞とし、「やっと結果になってくれて良かった」と胸をなで下ろした。

 開幕から不振に苦しんだ。打率は1割台をさまよい、チームの連敗も重なった。中軸として悔しい思いもしたが、「チームみんなでカバーしていくのがカープの野球」と坂倉。「みんなで束になってやっていければ」と先を見つめる目に悲愴(ひそう)感はない。

 この日は“新井マジック”もさく裂。試合前の時点で打率2割と苦しんでいた秋山を「何も考えず、まっさらな気持ちでバッターボックスに入ってほしかった」という理由で今季初めて1番で起用した。

 前の試合まで7戦連続で1番に座っていた野間が体の張りでの欠場ということもあったが、「野間が出ても出なくてもアキの1番は決まっていた」と指揮官。その秋山は2安打2四球の計4出塁で大勝に大きく貢献。この日が36歳の誕生日でもあった背番号9は「野間の穴を必死に埋めるつもりで頑張りました」とお立ち台で汗を拭った。

 チームは本拠地ウイーク初戦で連敗ストップに成功。新井監督は「最初にみんなあまり状態が良くない時期が来ただけと思っていたので。みんなの力はそんなものではないと自分は分かっている。全然なんとも思ってなかったので。まだ4月でしょ?」と周囲の心配を笑い飛ばした。やっと見せた打線の爆発。この勢いを一日だけでは終わらせない。

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